音楽をたのしむ/ピアノ 2018.4.18

子どものピアノレッスンのために親ができること

編集部
子どものピアノレッスンのために親ができること

いつの時代も、人気のある習い事の上位にある「ピアノ」。多くの子どもがピアノ教室へと通います。しかし、小学校、中学校、高校へと上がったときに、いったいクラスで何人の子どもがピアノを続けているでしょうか。

じつは、子どもにピアノを続けさせるには、親の心構えやサポートがとても大事なのです

子どもに合ったレッスン環境を選ぶ

多くのピアノ教室は「グループレッスン」「個人レッスン」のコースを設けています。それぞれどんなメリットがあるのでしょう。

グループレッスン

何人かの子どもまたは親子が集まり、ピアノのレッスンを受けます。個人レッスンでは体験することができない、グループならではのジャンルの練習ができること、ほかの仲間の音と合わせるバランス感覚を養えることがメリット。そして、なによりも皆で演奏する楽しさを感じることができるでしょう。また、一般的に個人レッスンよりも月謝が安いです。

個人レッスン

先生と子どもが一対一でピアノのレッスンを行います。大手のピアノ教室のコースのひとつとして設けられている場合もあれば、個人で運営しているピアノ教室へ通うケースもあります。グループレッスンとの違いは、一対一というメリットを活かして、子どもの性格やレベルに合わせた内容になるということ。レベルに応じて、必要な演奏表現の基礎やテクニック、読譜力を養うことができます。

グループレッスンと個人レッスンのどちらを選べばよいか。それは子どもの性格や意思に合わせるといいでしょう。例えば先生と一対一では緊張してしまうような生徒さんはグループレッスンが良いかもしれません。また、マイペースで一人で何かに取り組むことを好む性格であれば個人レッスンがいいかもしれません。

もちろん、グループレッスンと個人レッスンを組み合わせて習うケースもあります。子どものやる気を引き出すには、どちらのレッスンがベストなのかをよく考えて決めたいですね。

子どもの知的好奇心を育てる3つのポイント
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ピアノのレッスンに効果的な「リトミック」「ソルフェージュ」

ピアノを習い始めても、「うちの子はついていけているかしら」「続けていけるかしら」と、心配の親御さんも多いことでしょう。そんなピアノの習い始めに、おすすめしたいのが「リトミック」や「ソルフェージュ」との併用です。

リトミック

音楽の中のリズムを通して、心と体をひとつにし、感じる心を育てるという目的があります。歌、楽器、CDの音に合わせて楽しく動いたり踊ったりすることで脳の発達を促し、聴感覚も育成してくれます。

ソルフェージュ

音楽の基礎教育のことで、音を感じたり聞いたりする力、リズム感、読譜など、ピアノだけではないすべての音楽に役立つ能力を養います。これらをしっかりと身につけることにより、理解力も深まり、豊かなピアノ演奏につながっていきます。

「リトミック」「ソルフェージュ」のレッスンを受けると、リズム感や音感のベースをつくることができます。ピアノを始める前、もしくはピアノの習い始めに、これらのレッスンを取り入れると、ピアノを習い始めたときの吸収がぐんと上がります。

子どものピアノレッスンのために親ができること2

親がピアノを弾けるとついつい口を出してしまう

次は、毎日のレッスンについてです。

「昔、ピアノを習っていた」という親御さんも多いと思いのではないでしょうか。そんな親御さんこそ、自分が子どもの頃に弾けていた曲を子どもが弾けなかったりすると、ついつい口を出してしまうこともあるかもしれません。「なぜこんなこともできないの!?」と言いたくなったり、練習を渋る子どもにイライラしてしまったり。

しかし、胸に手を当てて考えてみてください。自分が子どもの頃、習い始めで天才的に能力を発揮し、スラスラ譜読みができていたでしょうか。毎日、自分から率先してピアノの練習に熱心に励んでいたでしょうか。もしもできていたら、きっと今もピアノを続けているのではないですか。

親はピアノの先生ではありません。現在はピアノを弾いていないということを肝に銘じておきましょう。内容については教えるプロである先生にお任せして、親はサポートに回ってあげることが大切です。できなかったことができるようになったら褒める、「〇〇ちゃん、頑張っているね」など、練習していること自体を認めてあげましょう。

「ピアノが好きになる」「上達する」サポートができるか

ピアノを習うには、経済的なサポートが必要です。もちろん家にピアノがないと練習ができませんし、ピアノを置くということは、ピアノが置ける家(一軒家またはピアノ設置が許可されたマンション)に住まなければなりません。

それに当たり前ですが、習い始めたら月謝が発生します。最初のうちは教本が何種類かあるうえ、すぐ終わってしまいますので教本代もかかります。また、感性や耳を育てるために音楽コンサートに連れて行ったり、動画サイトやDVD、CDなどで練習している曲を聞かせてあげたりすることも大事です。練習している曲について調べるために、作曲家の伝記本を購入することもあるかもしれません。

発表会の会費を支払い、発表会の衣装を用意するというイベントも発生します。そのように、経済的なサポートがきちんとできるか、という家庭の覚悟も必要です。せっかく習い始めたのに、「お金がかかるからやめなさい」という結果になると、子どもの興味を奪ってしまうことにもつながりますので、将来的にどんなことが必要か、どんなことをしてあげたいかを考えて、試算してから始めることをおすすめします。

また、ピアノを習い始めたら、子どもが前向きに続け、上達していけるよう、精神面での親のサポートも必要です。週に1回のレッスンでだけピアノを弾いている状態であれば、いつまでたっても上達はできません。

長い目で見て励まし、毎日欠かさず練習をすることで弾けなかった曲が弾けるようになり、弾けるようになって先生や親に褒められると、子どもは嬉しくなります。また、ピアノの発表会に向けて、この曲をマスターするなどの目標を持つことも大事です。大勢のお客さんの前で演奏することは緊張もしますが自信にもつながりますね。そのためには、親が根気強く励ましたり勇気づけたりするサポートが重要になります。

ピアノを習うといっても、親のサポートなしでは続けることはできません。子どもが楽しく続けられるように、親が根気強く励ましたり、レッスン内容を吟味したり、たくさんの良質な音楽に触れさせてあげましょう。

(参考)
ヤマハ音楽教室|ジュニアスクール基礎コース
ヤマハ音楽教室|レッスン中の保護者のかかわり方
ヤマハ音楽教室|どんなレッスン?
カワイ音楽教室|4歳のためのピコルわーるど
ベネッセ教育情報サイト|[習い事入門]ピアノ:続けさせる覚悟できていますか?【前編】
八王子市犬目町のピアノ教室 ピアノ・サウンド
東洋経済ONLINE|「子どもをほめる」ことは”仕組み化”できる