教育を考える 2020.4.22

姿勢が悪いと判断力や集中力に悪影響! 子どもの姿勢をよくするための3つのコツ

編集部
姿勢が悪いと判断力や集中力に悪影響! 子どもの姿勢をよくするための3つのコツ

何気なく子どもの様子を見たときに、「なんだか姿勢が悪いような気がする」と感じたことはありませんか?

猫背や頬杖をつくなどの悪い姿勢は見た目にも良いとはいえず、さまざま弊害が生まれることもあります。今回は、子どもの姿勢を正しく保つことの大切さについて紹介しましょう。

正しい姿勢で子どもが伸びる!?

正しい姿勢を保つことが習慣化すると、見た目が美しいだけでなく、学習面運動面身体面にもメリットが生まれ、子どもの能力を伸ばすことにつながります。

病気や不調の治癒や予防を目的としたヨガセラピーの指導に従事している神田玲子氏いわく、以下のようなステップで座ると正しい姿勢がとりやすくなるそう。

Step1.椅子に深く腰かけ、膝を90度に曲げて、膝下を床に垂直に下ろすようにそろえて座る。その際、机と体の間は握りこぶしひとつぶんくらい空けておく。

Step2.背筋をぴんと伸ばし、お尻を後ろに引くように意識して背筋を伸ばす。胸を張らないように注意しながら、お腹もまっすぐ伸ばす。

Step3.やや二重顎になるくらい顎を引き、頭は前に出ないようにして、リラックスしながら体をまっすぐに保つ。

子どもの姿勢02

子どもの知的好奇心を育てる3つのポイント
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正しい姿勢を保つことのメリット

正しい姿勢を保つと、以下のようなメリットがあります。

勉強編

正しい姿勢を保つと、集中力が増し、思考や記憶に影響を与える空間認知能力が鍛えられます。

脳医学者の林成之先生によると、姿勢が悪いと体軸が傾き、目線も傾いてしまうそう。すると、左右の目から入ってきた情報にズレが生じ、脳が左右の情報をひとつにまとめる作業が必要になるため、脳が疲れやすくなるのだとか。しかし、正しい姿勢を保つと、情報をまとめる作業が不要になるぶん、左右の脳が同時に働くために疲れにくく、集中力がアップするといいます。

スポーツ編

正しい姿勢は、スポーツを行なううえで大切な判断力アップにもつながります。

前出の林先生いわく、姿勢の悪さによって目線が傾き、入ってくる情報にズレが生じることは、体を動かすタイミングにも影響するとのこと。正しい姿勢で目線を水平に保つことで、ものがよく見え、判断力が上がるそう。

食事編

正しい姿勢で食事をすると、内臓がスムーズに働いて消化吸収が良くなったり歯並びや噛み合わせが良くなったりするメリットがあります。

一般社団法人・日本青少年育成協会理事の池上公介氏によると、食事の際に片肘をついたまま食べたり、脚を前に投げ出して体をななめにしながら食べたり、茶碗を持たずにテーブルに覆いかぶさるようにして食べる「犬食い」をしたりすると、内臓が圧迫されて消化吸収が悪くなるそうです。

また、アリビオ矯正歯科クリニックによると、足をブラブラさせる悪い姿勢で食事をすると、しっかりと噛むことができないため、顎の発達に悪影響が及び、歯の並ぶスペースが不足して、歯並びが悪化する可能性も出てくるそう。

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子どもの姿勢を良くするためのポイント

子どもの姿勢を良くするためには、以下を実践してみてください。

腹式呼吸をする

理学療法士の田舎中真由美氏いわく、人は正しい姿勢でいると胸が開いた状態になり、自然と深い呼吸=腹式呼吸をしているそう。腹式呼吸を続けることで、体が正しい姿勢をキープできるようになるのだとか。

お腹が膨らむまで鼻から深く息を吸ったあと、お腹をへこませながら、口からゆっくり息を吐くのが正しい腹式呼吸です。子どもに教えながら親も一緒に行なえば、親子で正しい姿勢を手に入れられますよ。

声がけを工夫する

フリースクール・パーソナルアカデミー代表の谷圭祐氏によると、子どもの姿勢を良くしたいあまり、毎日のように「姿勢を良くして!」と注意していると、親子ともに疲れてしまうそう。

そうならないためにも、姿勢についての声がけは1日1回程度にし、「本からもう少し目を離してみたら?」「疲れているみたいだし、少し休憩したら?」など、姿勢を正すというよりは、長時間悪い姿勢で過ごさないことを促す内容にすると良いとのこと。

太陽の光を浴びる機会を増やす

日本体育大学教授の野井真吾氏いわく、子どもの姿勢を良くするためには、日中に太陽の光をしっかり浴びて、夜はぐっすり眠る生活リズムを整えることが大切なのだそう。

セロトニン神経は、良い姿勢を保つポイントとなる背筋などに、緊張を与える役割を持っています。そのセロトニン神経をしっかり働かせるためには、日中に太陽の光を浴びることが重要です。しかし現代の子どもたちは、外遊びの時間が少ないなどの理由から太陽の光が不足しており、セロトニン神経が弱くなっている傾向があります。セロトニン神経が弱ると、背筋などがしっかり働かなくなるだけでなく、夜に体温を下げて眠りを誘うホルモンであるメラトニンが生成されにくくなることから、寝つきや朝の目覚めが悪くなるなどして生活リズムが狂ってしまうのです。

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姿勢を正しくすると、見た目が良いだけでなく、学習面や運動面、健康面など幅広いメリットがあり、まさに良いこと尽くし。日々のちょっとした工夫や心がけで、親子で正しい姿勢を手に入れましょう。

文/田口 るい

(参考)
ベネッセ教育情報サイト|幼児からできる! 授業を聴ける心と体づくり【前編】姿勢が悪くなっている原因とは?
ベネッセ教育情報サイト|成績もアップ!? 正しい姿勢で勉強するメリット
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