教育を考える 2018.4.11

モンテッソーリ教育に学べ! 子どもの才能が伸びる「敏感期」に親がするべきこと。

編集部
モンテッソーリ教育に学べ! 子どもの才能が伸びる「敏感期」に親がするべきこと。

世界で活躍する著名人が、幼児期に受けていたことで有名な「モンテッソーリ教育」。この教育法を考案したイタリアのマリア・モンテッソーリが注目したのが、子どもの「敏感期」です。

敏感期とは、子どもが成長する過程で、心身の発達をとげるために、ある一定の期間、強烈に「◯◯がしたい!」という強い興味・関心をもって熱心に「何か」に取り組む時期のこと。かんたんにいうと、何かに対して「とてつもないこだわり」をもつ時期のことを指します。

モンテッソーリ教育には欠かせない「敏感期」という考え方

子どもは0歳から6歳までに、さまざまな敏感期があります。例えば、物の位置や順序などにこだわりをもつ「秩序の敏感期」は生後6ヶ月〜3歳前後、数を数えることに興味を持つ「数の敏感期」は3歳〜6歳、生き物、地理や歴史に興味をもつ「文化の敏感期」は4歳〜6歳など。事柄によってあらわれる時期・期間は違います。

道を歩いているときに、子どもが車ナンバープレートを覚えたがったり、お風呂で数を数え続けたりしたとき。これは「数の敏感期」の行動であると言えます。また、公園で生き物を探したり、おうちで図鑑に没頭したりするのは「文化の敏感期」。何度も何度も飽きずに階段を上がったり降りたりするのは「運動の敏感期」であるのです。

モンテッソーリ教育では、このさまざまな事柄への「敏感期」を“大人が見極めてあげる”ことが大切だと説いています。なぜなら、それぞれの物事に興味をもつ「敏感期」には、子どもはかんたんに学習したり、ぐんぐん吸収して成長をしますが、時期が過ぎるとその勢いは消えてしまうから。その時期を逃さないために、周りにいる大人が子どものことをよく観察して「敏感期」に気づいてあげることこそが、子どもの才能の開花に繋がるのです。

今すぐ「Famm無料撮影会イベント」に行くべき4つの理由。写真で「自立心」や「自己肯定感」がアップする!
PR

ワガママと思わず「敏感期」として見つめること

敏感期の行動は、ふとしたときにやってきます。例えば、どこかへ行くときにいつもと違う道を通ったら子どもがグズり始めたとき。これは「順序」への強いこだわりがあること、つまり「順序への敏感期」のあらわれです。この“同じことを同じ順序でやりたい”という順序への強いこだわりを伸ばしてあげると、いずれそれは優れた「段取り力」や「計画性」へと発展すると言われています

「順序への敏感期」には、毎回同じ順序で行うことによって「順序」の大切さを身につけようとしています。この敏感期にある子どもは、いつもと違う道を通ることは、許せないのです。このようなときには、いつもの道に戻って、いつも通りに歩かせてあげることが重要。すると、子どもは順序通りに物事を進めることが楽しくなります。

単なるワガママだと思い「もー! 急いでるんだから!」と怒って、無理やり引っ張っていくのは、もっともよくありません。もしも急いでいるときには「次はいつもの道を通ろうね」「この道を行ったら何があるかな?」と、楽しみを与えてあげましょう。

また、いつも自分が座っている席をかたくなに守ろうとすることがあります。違う席に座ることを嫌がったり、お友だちが自分の席に座ることを嫌ったりします。これは、「場所」へのこだわり。つまり「場所の敏感期」にあたります。いつも同じ場所に自分がいたり、お母さんはここ、お父さんはここ、というこだわりがあることは、いずれ優れた「倫理観」へと繋がっていきます

そんなときは、子どもを無理やりその場所から引き離すのではなく、「その席に座りたいんだね」とまずは認め、「◯◯ちゃんもそこに座りたいみたいだから、今日は貸してあげられるかな?」と、場所への強いこだわりを邪魔しないような形で伸ばしてあげたいものです。

敏感期に親がするべきこと2

敏感期の学びを後押ししてあげることが大切

このように、子どもは生まれながらに自らの才能を開花させ、特性を伸ばす力を持っているのです。しかし、大人は勝手に「イヤイヤ期」と呼んで困り果てたり、「ワガママ言わないで!」と怒ったり、子どもが悩んでいるのに親が無理やり決めてしまったりもします。

モンテッソーリ教育の基本は「子どもが主役」であること。大人の目線でジャッジするのではなく、子どもをよく観察し「この子は何をしたいのか」「なぜイヤと言っているのか」を、子どもの生活の目線で考えます。

そして、「◯◯の敏感期」を見つけたら、その貴重な学びや成長のチャンスを逃さないよう、子どもがやりたいことを理解して、やりたい気持ちを認め、満足いくまでやらせてあげましょう。そうして「敏感期」を後押ししてあげると、後からでは身につけたくても身につけられない、優れた特性や個性へと結びつきますよ。

(参考)
東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ
東洋経済ONLINE|子どもの大事な「敏感期」に親ができること
モンテッソーリはままつこどものいえ|モンテッソーリ教育って?
サンライズキッズインターナショナル|子供の敏感期