教育を考える 2018.9.12

2020年度から「大学入学共通テスト」がスタート! 親が今からやっておくべきことは?

2020年度から「大学入学共通テスト」がスタート! 親が今からやっておくべきことは?

30年間続いた大学センター試験が終了し、2020年度からは「大学入学共通テスト」がスタートします。このテストを最初に受験するのは、現在の高校1年の学生たち。

小さな子どもを持つ親御さんにとっては、うちの子はまだ先だから……と思うかもしれません。でも、新しいテストで求められる力は、どうやら幼少期からの積み重ねが鍵のよう。

そこで今回は、新制度のテストについて解説しながら、親として今からやっておくべきことをご紹介します。

新しいテストでは「考える力」「言葉にする力」が求められる!

「大学入学共通テスト」では、現在のセンター試験で実施されているマーク式の問題に加えて、国語と数学の一部に「記述式問題」が出題されます。また、これまでは高校の授業で学んだ知識や技能が身についているかが重要視されてきましたが、それに加えて「思考力・判断力・表現力」をより一層重視する内容になると言われています。

つまり、単に答えを出すだけではなく、答えを導き出すプロセスやそれを自らの言葉で文章にしてまとめる力が問われるように。これからは、知識を暗記するだけでは通用せず、普段からしっかりと授業を理解し、自ら考える力が要求されるようになるのです。

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英語では「話す」「書く」の技能も必要に

もう一つ、大きな変化があるのが「英語」です。これまでのセンター試験では、マークシート問題で「読む」「聞く」の2つの技能で行われていましたが、新しい共通テストでは「読む」「聞く」に加え、「話す」「書く」の4つの技能で行われます。つまり、英語で身につけるべき4つの技能を総合的に伸ばしていくことが、これからは重要になっていくのです。

また、2020年から2023年度(現役の場合は現在の高校1年生から中学1年生)までは「移行期間」となり、これまでのマーク式の問題(リスニングとリーディングの2技能)と民間の英語4技能試験(英検やTOEIC、TEAPなど)が併存されます。しかし、現在の小学6年生以下の子どもたちは民間の4技能試験に一本化されることになり、4つの技能をバランスよく身につけることが求められていきます。

新しい学習指導要領では、小学3、4年生から「外国語活動」が導入され、5、6年から「英語(教科)」が開始されるなど、英語で聞く・話す・読む・書くといったコミュニケーション能力の基礎を小学生のうちから身につけられる環境が整いつつあります。

家族で海外旅行へ出かけたり、国内でも外国人と接する機会を持つなど、小さい頃から少しずつ外国語への興味を持つことが大切になってくるでしょう。

問いかけの仕方次第で、自ら考える力を養う

新しく導入される「大学入学共通テスト」では、「思考力・判断力・表現力」が重視されたり、英語の4つの技能を求められたりと、保護者世代の大学入試とは大きく変わっていきます。それに対応できる力を養うには、親御さん自身が情報をキャッチアップするのはもちろんですが、子どもたち自身が、知っていることをさらに深く考えたり、それをうまく言葉にする経験を積むことが大切になるようです

普段から考える力を身につけさせることは、一見すると難しいことのように思えますが、実は親からの問いかけ方が鍵となるよう。例えば、お子さんが親御さんに向かって、「どうして◯◯なの?」と聞いてきたときに、すぐに答えを教えるのではなく、「◯◯ちゃんは、どうしてだと思う?」と、一度考えさせる習慣をつけましょう

さらに、「友達に教えてあげるとしたら、どんな風に言えば伝わるかな?」などと促してみると、自分の考えを言葉にする力を日々の生活の中で自然に身につけることができます

2020年度からの「大学入学共通テスト」で親が今からやっておくべきことは?2

さまざまな経験の中で「思考・判断・表現力」は養われる!

小学生の頃からの日々の学習習慣はもちろん大切ですが、それだけができていればいいということではありません。

子どもにとって、好きなことに没頭する経験はとても大切。学力の三要素である「思考力、表現力、判断力」は、毎日の生活や、何かに夢中で取り組む中で学べる部分も大きいようです

「何かを習得させるために取り組ませる」のではなく、「自分の世界を広げられるよう刺激を受けさせる」という感覚で、子どもが興味を持ったことを片っ端から経験する機会をつくるというのがいいと思います。

(引用元:さぽナビ|大学入試改革――なぜ変える? 何を求められている?(2)

机の上での狭い範囲で学んでいるだけではなく、日々を生きること、楽しむことがすべて学びなのだと言うことを、親御さんも認識していくことが重要ですね。

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このように、親子間の会話など小さなやりとりの積み重ねや、子どもが興味を持って行う経験など、日常生活の中で「思考・判断・表現力」は育まれていきます。そしてこの力こそが、将来、受験で求められる力へとつながっていくのです。

文/内田あり

(参考)
ベネッセ 教育情報サイト|どうなる?大学入学共通テスト 小学生のうちから「考える」習慣づけが大切に!?
ベネッセマナビジョン|「大学入学共通テスト」の全体像と学習のポイント
Z-KAI|大学入学共通テストの英語について
ベネッセ 教育情報サイト|英語試験 具体的にはいつから、何が変わるの?
さぽナビ|大学入試改革――なぜ変える? 何を求められている?(2)
文部科学省|学習指導要領「生きる力」