あたまを使う/教育を考える 2019.5.18

子どもの集中力が続かないのは「あの言葉」が原因。言ってはいけないNGワードとは

編集部
子どもの集中力が続かないのは「あの言葉」が原因。言ってはいけないNGワードとは

子どもの集中力が続かない」というのは、子育て中によく聞かれる悩みのひとつです。また、集中力はあっても「自分が興味のあること限定」というお子さんも少なくありませんよね。

今回は「子どもの集中力が続かない原因と改善方法」についてご紹介しましょう。

子どもの集中力を低下させる原因は?

子どもの集中力が低下する原因には、さまざまものがあります。代表的なものは以下の通りです。

長時間のゲームやテレビ鑑賞

ゲームやテレビ、スマートフォンを閲覧する時間が長くなってしまうと、脳の中で記憶や学習、感情のコントロールに深くかかわっている前頭前野という部分が疲れてしまい、注意力散漫になったり、集中力が低下してしまったりするといわれています。

不規則な生活

夜ふかしをして十分な睡眠時間がとれていないと、イライラしやすくなったりケアレスミスが多くなったりしやすいといわれています。また、朝起きるのが苦手でいつも遅刻ギリギリの時間まで寝てしまい、朝食をとる時間がないと、集中力が足りなくなるともいわれているのです。不規則な生活の中に、集中力が低下する原因がいくつも潜んでいるといえるでしょう。

言ってはいけないNGワードとは2

今すぐ「Famm無料撮影会イベント」に行くべき4つの理由。写真で「自立心」や「自己肯定感」がアップする!
PR

集中力のある子とない子の違い

一般社団法人教育デザインラボ代表理事で、都留文科大学特任教授の石田勝紀氏は、集中力に関して「人間は『集中タイプ』『拡散タイプ』の2つに分かれている」と述べています。

「集中タイプ」は、先天的に集中力が高いケース自分の興味のあることに関しては抜群の集中力を発揮するケース、「習い事や部活動で忙しく、短時間で宿題をこなさなければいけない」など必要性に迫られることで集中力を発揮するケースがあるといいます。勉強は好きではないものの、歴史小説や歴史漫画が好きで、歴史の成績だけは常にトップクラスであるという子どもや、趣味に没頭すると誰かが話しかけてもまったく反応しない子どもなどはこのタイプです。

一方の「拡散タイプ」は、周りの人々や環境のことが常に気になりやすく、集中力があまり高くありません。それゆえに「落ち着きがない」と思われることも。しかし、見方を変えれば、「よく気がつく」「他の人の様子を察知できる」ということでもあり、将来的にサービス業などで活躍する可能性が高いのだそう。集中力があるに越したことはありませんが、集中力がないからといって子どもを否定的に判断したりせず、「この子はこういうタイプなのだ」と見守ることも大切だと言えますね。

言ってはいけないNGワードとは3

子どもの集中力をアップさせる方法

子どもの集中力をアップさせるためには、普段の生活の中に以下を取り入れましょう。

集中モードへの切り替えを促す

何かに集中するためには、「集中モード」に入ることから始まります。大人の場合でも、就業時間になったからといってすぐに仕事に没頭できるわけではなく、今日のタスクをチェックしたり、デスクの上をキレイにして仕事をしやすい環境を作ったりして、徐々に集中モードに切り替えていくという方が多いのではないでしょうか。

ぜひそれを子どもにも習慣づけてみましょう。具体的には、テレビやスマートフォンから離れる、机に向かってノートや鉛筆を準備する、ひらがなや漢字の書き取りといった簡単な勉強から始めることなどが効果的です。

子どもに「集中力がない」と言わない

教育評論家の親野智可等先生によると、親に「集中力がないんだから!」と言われ続けた子どもは、無意識のうちに「自分は集中力がないんだ」と思うようになります。その結果、子どもは「どうせ自分は集中力がないから」何事もすぐに諦める癖がついたり、自己肯定感が低くなったりしてしまいます。

そうならないためにも、子どもが何かに集中していたときは、「集中力があるんだね!」と褒めてあげましょう。勉強ではなく、遊びでもかまいません親に集中力があると認めてもらえた子どもは、たとえ集中力が切れそうになったときでも「自分には集中力があるんだから、まだやれる!」と自分自身を奮い立たせることができるようになります。

ゲーム機はルールを設けて楽しむ

2017年に朝日学生新聞社が小学1年生~6年生の男女457人を対象に行なった調査によると、「“ゲーム機を持っているが使用を禁止されている子ども” よりも、“ゲームをしてもOKな子ども” の方が勉強への集中力が高く、宿題にも自主的に取り組み、親との会話も多い」という結果が出ています。長時間の使用によって集中力を妨げる可能性があるゲームですが、だからといって禁止するのではなく、家庭内でルールを決めて使用することでメリットがあるようです。

***
子どもの集中力がないと、親はつい焦ったり、時にはイライラしてしまったりすることもあります。でもそれは、子どもが本来持っている集中力が発揮できない状態になっているだけかもしれません。生活環境を整えたり、普段の言葉がけを意識したりすることで、子どもの集中力を育てるためのサポートをしてあげましょう。

文/田口るい

(参考)
Study Hackerこどもまなび☆ラボ|子どもの「集中力」を養う方法。遊びや習い事を活用しよう!
東洋経済オンライン|子どもの集中力は、こうやって作り出せる!
ベネッセ教育情報サイト|子どもに集中力をつけるには?[教えて!親野先生]
All About|ゲームへの集中力を勉強に活かす3つの秘策!
ITmedia NEWS|「ゲームOK」の子の方が勉強に集中し、親との会話も長い……朝日小学生新聞調査