高校卒業レベルとも言われる英検2級を小学生のうちに取得することができる——そんな“本格派” の英語スクールがあることをご存じですか?
その名も「ESL club」。“歌や踊りを通して英語に慣れ親しんでいく” といったことをコンセプトに掲げる子ども向け英語スクールが多いなか、「ESL club」では “本物の英語力” の習得を本気で目指します。いったい何が違うのでしょうか?
そこで今回は、「ESL club」を運営する株式会社明光ネットワークジャパンの岡山太(おかやま・ふとし)さんに、その秘密を詳しく聞きました。さらに、社会人向け英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を運営する株式会社恵学社の田畑翔子(たばた・しょうこ)さんをお招きし、“言語教育情報学修士” “TOEIC990点” “TESOL(英語教育の国際資格)” を持つ英語教育の専門家としての観点からも、「ESL club」のカリキュラムのすごさを語っていただきました。
ABCしかわからなかった子が2年で英検2級合格。留学時に友だちと “英語で” 喧嘩するまでに!
——「ESL club」のホームページを拝見すると、“小学生で英検2級” という衝撃的なフレーズが目に飛び込んできます。子ども向けの英語スクールと聞くと、歌ったり踊ったりしながら楽しく英語に慣れ親しんでいくものという印象が強いのですが……「ESL club」とはどんなスクールなのでしょうか?
岡山さん:
先生1人に生徒2人までの個別指導の形態で、英検1級・TOEIC900点以上のバイリンガル講師のもと、「教養あるネイティブと英語で議論できるレベルの “本物の英語力”」を持った人材の育成を目指す英語スクールです。
多くの英語スクールに共通するのが「英語を勉強させてみて行けるところまで行けたらいいね」という “積み上げ式” のスタイルになっていること。みんなで歌ったり踊ったり……たしかに楽しいですよね。でも、「子どもの英語力を伸ばしてあげたい」と本気で考えている親御さまにとって、そういったスクールに通わせるのが本当に正しい解なのかと問われれば、必ずしもそうとは限らないのではないでしょうか。
だから私たちは “逆算式” のスタイルをとっています。つまり、子ども本人や親御さまから「どこまで英語力を伸ばしたいのか」「将来的にどんな英語力を身につけたいのか」といった目標をあらかじめヒアリングしたうえで、その目標達成のために必要な要素を逆算してカリキュラムを組んでいるのですね。そうすると、じつは “小学生で英検2級” というのも、決して大げさではない自然な通過点のひとつとして炙り出されてくるのです。
株式会社明光ネットワークジャパン 岡山太さん
「ESL club」事業責任者 兼 「明光義塾」英語教科責任者。長期留学経験なし、国内独学で英検1級・TOEFL iBT 100点を達成。自身の英語学習経験を生かし、ESL clubのオリジナルカリキュラムを構築。現在は全国の明光義塾の英語指導力強化にも努めている。
——実際に “小学生で英検2級” を達成したお子さまも何人もいらっしゃるそうですね?
岡山さん:
はい。過去には、小学校4年生の入会段階ではABCがギリギリわかるぐらいだったのが、1年で英検3級に合格、そして小学校6年生で英検2級に合格したなんて事例もあります。その子は小学生のうちに短期の海外留学も経験し……なんと現地の友だちと “英語で” 喧嘩までしてきたというおまけつきです(笑)。最終的にはアメリカの現地校に進学し、さらにその現地校の代表として現在はイギリスに留学していると聞いています。
「小学生で英検2級合格」はあくまで通過点であり、手段です。目的は「海外で活躍できる人材」に育ってもらうこと。ESL clubのオリジナルメソッドなら、英検合格はもちろん、海外でも通用できる英語力が身につくことが、実績として証明されてきています。
通訳養成訓練にも使われる「シャドーイング」をカリキュラムに導入
——まさに現地でも使えるような “本物の英語力” が身につくのですね。実績も多数出ているとのことですから驚きです。「ESL club」での学習方法の秘密を教えていただけますか?
岡山さん:
代表的なものが「シャドーイング」です。これは、流れる音声を聞きながら影(シャドー)のように追って音声をリピートしていくトレーニング方法。実際の英検の過去問を題材に、大きく3つのステップで学習を進めています。
シャドーイングを始めるにあたっての準備段階として行なうのが、英文の「内容理解」ですね。わからない単語を先生に教わりながら、英文の意味をしっかり頭に入れてもらいます。そして第1ステップとして、「英文を見ながらのシャドーイング」を2回。ここで文字と音声の対応関係を重点的に学びます。次に第2ステップとして、音声なしの「音読」を2回。 発音を正確に再現しながら、直読直解で英語を英語のままイメージすることを目指します。そして最後の第3ステップとして、「英文を見ないでのシャドーイング」を2回。このやり方を授業の90分のなかで徹底的にトレーニングするのです。
——シャドーイングといえば通訳養成のための訓練にも使われていると聞きますが、こんな本格的なトレーニングを、小学生のお子さまを対象に実施しているのですね。田畑さん、英語教育の専門家としての視点から、シャドーイングの効果を教えていただけますか?
田畑さん:
シャドーイングが最も効果を発揮するのは「リスニング」の能力です。リスニングは大きく2つの処理プロセスから成っています。聞こえてきた音を単語として認識する「音声知覚」と、意味の「理解」ですね。そして、日本人の子どもたちにとっての英語のような “第二言語” の場合、じつはリスニングは非常に負荷が高い作業なのです。
株式会社恵学社 田畑翔子さん
「StudyHacker ENGLISH COMPANY」担当取締役。言語教育情報学修士、TOEIC990点、TESOL(英語教育の国際資格)を持つ。恵学社立ち上げ時より、英語科の責任者として参画。
でも、脳の作業領域であるワーキングメモリの容量には限界があります。たとえば、音を聞き取っていく「音声知覚」をかなり頑張らなければいけないような状態だと、次の「理解」の処理にまで脳の認知資源をまわせず、結果 “英語を聞いてもよくわからない” 状況に陥ってしまいがちです。
流れてくる音声をまねしながら自分でも発音するシャドーイングは、この最初の「音声知覚」の自動化のための良い訓練になります。音が楽に聞き取れるようになるので、脳の認知資源に余裕ができ、次の「理解」にまわせるようになるのです。
第1ステップで取り入れている、文字と音声の対応関係を入れていくために音声を意識してリピートするシャドーイングは、専門的には「プロソディー・シャドーイング」と呼ばれています。そして第3ステップの、英文の意味もイメージしながらのシャドーイングは「コンテンツ・シャドーイング」と呼ばれています。どちらもENGLISH COMPANYでも取り入れているトレーニング方法なのですが、これを小学生向けに実施しているというのは本当に驚きですね。
2段階のライティング学習を通して英語を使いこなせるようになる!
——シャドーイングのほかに、特に力を入れている学習はありますか?
岡山さん:
ライティングですね。ESL clubでは、まず初めに「スクリプトライティング」を行ないます。スクリプトライティングでは、短い会話文を読み、その会話文に関する質問に対して、英語を書いて答えていきます。1回のレッスンで最低10個の会話文を扱い、即答できるようになるまで何度も何度も書いて練習します。会話文を読めば、答えのヒントとなる英文は必ず見つかります。そういった答えのある英文の「多書き」を繰り返すことで、英語の文型や語順の仕組みを少しずつしみこませていくのが狙いです。
田畑さん:
実際の言語習得においても、あるシチュエーションのなかで親が言ったことに対して「きっとこういうことなのだろうな」と想像したり理解したりしながら、言語習得が進んでいきます。“会話文の中から答えのヒントを探せばいい” というのも、まさにそれと似通っているような気がします。何もないところからいきなり英文をつくるのに比べて圧倒的に負荷も少なく、学習が順調に進んでいきそうですね。
岡山さん:
実際に、特別な文法指導をしなくても、この方法をとおして、子どもたちは英語の文型や語順の仕組みをどんどん吸収していってくれます。「なぜこういう語順になるの?」と理由を求めがちな私たち大人とは認知の仕方がまったく違うのでしょうね。難しく考えすぎることなく、「そういうものだ」とすんなり飲み込んでくれるのです。
——教材は何を使っているのでしょう?
岡山さん:
ライティング指導でも基本、英検の問題を活用します。皆さんご存知の通り、英検は5級、4級、3級と級が上がるにつれて難易度も上がっていきます。ESL clubでは、生徒の英語力に合わせて学習する級も上げていきます。教材は、生徒にとって簡単すぎても難しすぎても学習効果が上がりません。その点、英検を使えば、生徒にとって最適な難易度である教材を設定できます。小学生の英語4技能を効率良く高めていくうえでは、英検をベースに学習を進めるのが最適だと考えています。
——英文をたくさん書かせることで、英語の感覚が徐々に身についていくのですね。その段階をクリアしたら、次は何をするのでしょう?
岡山さん:
「エッセイライティング」に入ります。具体的には、「主張→理由→具体例→再主張」という型を上手に使いこなせるようになることを目指します。
まずは上記の型に沿って日本語で書いてもらい、その内容を先生が精査します。理由と具体例のつながりが論理的に正しいかどうか、主張に対する理由の選び方が適切かどうかなどを確認していくのですね。その際、実際にコミュニケーションを取りながら先生が生徒の考えを引き出していくことも忘れません。こうして日本語で内容を充分に詰めてから、それを英語に変換し、最後に先生が添削するという手順で進めています。これは日本語、英語ともに高いレベルで運用できるバイリンガル講師だからこそできるライティング指導と言えます。
田畑さん:
アウトプットは大きく2つのプロセスから成ります。“そもそも何を言うのか” という「概念化」と、“どういう単語や文法を使って書くのか(話すのか)” という「言語化」ですね。どちらかがおろそかになっては上手なアウトプットができないため、両輪で鍛えていく必要があるのですが……「ESL club」で行なわれているライティング指導、まさにこの2つが鍛えられる仕組みになっていると思います。
「言語化」の訓練となるのが最初のスクリプトライティング。たくさんの文を書くことを通して英語の正しい語順や文法が身についていきます。そして、「概念化」を鍛えるエッセイライティング。これは大人にも当てはまる話ですが、英語の文をつくることで困っているようで、じつは “そもそも何を言うか” の部分で停止してしまったり、英語特有の論理展開の仕方に慣れず戸惑ってしまったりする人が意外に多いのです。この「概念化」の部分まで含めてしっかり鍛えてあげられるのが「ESL club」のカリキュラムのすごさなのではないかと感じました。
英語学習を毎日続けてもらうための仕組みもすごかった。
——英語力習得を本気で目指すとなると、合理的な学習メソッドを取り入れていくのに加えて、「英語学習に毎日しっかり取り組む」ことも重要なポイントなのではないかと思います。とはいえ、私たち大人にとってさえも、やるべきことを毎日コツコツ継続するのは難しいものですよね。英語学習を続けてもらうためにとっている工夫は何かあるのでしょうか?
岡山さん:
特に小学生の場合、「問題が難しすぎて解き方がわからない」「何をどう進めればいいのかわからない」となると、途端に面倒くさく感じて勉強がイヤになってしまうものです。だから「ESL club」の宿題は、授業で教わった内容を練習を通じて定着させることが基本。逆にいえば、自宅でひとりで練習できるように、授業内で指導を完結させています。先ほどご紹介したシャドーイングやライティングも、正しい学習法を授業で徹底的に教え込んだうえで、家に持ち帰ってもらっているのです。
また、宿題の出し方にもこだわっています。よく見られるのが、1週間分の宿題をポンと出してしまうパターンですが……次の授業の前日に慌てて一気にこなしたり、逆に授業があった次の日に全部やりきってしまったりすると、 “毎日の英語学習” にはなかなかつながりませんよね。英語習得には毎日の継続学習が必要不可欠です。
そこで「ESL club」では、「Study Log」というシートで1日1日の宿題を細かく管理しています。同時にこのシートには、その日の宿題の手順やポイントも簡潔に記載されています。したがって子どもたちは、このシートに書かれてある通りに進めれば、難なく宿題をこなしていけるというわけです。
田畑さん:
私たちが運営する「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でも、仕事が忙しいビジネスパーソンの方々にどうやって英語学習を続けていただくか、その方法を徹底的に考え抜きました。その際に参考にしたのが「行動科学」という学問。科学的なアプローチで、英語学習を習慣化する方法を構築していきました。
この行動科学で重要だとされているのが「行動の細分化」。行動手順を細かく分解することで、取りかかる際の心理的負荷が下がり、結果として続きやすくなるというわけです。「ESL club」の “宿題は反復練習” “1日1日の宿題を詳細に指定” といったスタイルも、まさに行動科学的なアプローチが取り入れられていると言えますね。
岡山さん:
加えて、一定枚数集めたらガチャガチャができるシールを、しっかり宿題をこなしてくれたらあげたりもしています。小学生のお子さまって、これだけでもとても喜んでくれるんですよね。努力の結果を可視化することで、英語学習のモチベーションが高く保たれるように工夫しています。
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最後に岡山さんは、「子どもたちには、『ESL club』で培った英語力を武器に、小学生のうちからどんどん世界を広げていってほしい」と熱を込めて語ってくださいました。「小学生で英検2級」も決して夢ではありません。お子さまの英語力習得を本気で願っている親御さまにとって、この「ESL club」は最良の選択肢になることでしょう。
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