子どもがテストで100点を取ったとき、どんな声がけをしていますか? じつは、使う言葉しだいでは、子どものモチベーションをアップさせることもあれば、逆に低下させてしまうこともあるのです。
今回は、子どもが100点を取ったときの声がけの影響や、良い褒め方・悪い褒め方についてご紹介します。
「100点なんてすごい!」が良くない理由
子どもがテストで100点を取ったとき、思わず「100点が取れたなんて、すごい!」という言葉をかけてはいませんか? もちろん、100点が取れることはすばらしいことですから、「すごい!」と言いたくなる気持ちもわかりますし、そう言われた子どもも誇らしい気持ちになるはずです。
しかし、国立大学教育学部附属小学校教諭の松尾英明先生いわく、この発言は、高い技能やパフォーマンスへの評価に過ぎないのだそう。こうした褒め方が繰り返されることで、子どもは「100点以外には価値はない」と考えるようになるそうです。その結果、90点などの高得点を取っても「100点を取れなかった自分はダメな子だ」と落ち込んだり、大きなプレッシャーを感じたりすると松尾先生は言います。子どもに対して「100点なんてすごい!」と結果だけを褒めるのは、子どもを追い込んでしまうことになるのです。
こんな声がけはNG!
「100点なんてすごい!」以外にも、子どもにとってNGな声かけがいくつかあります。皆さんはこんな言葉をかけてはいませんか?
【NG1】「次も頑張ってね!」
今後への期待の気持ちも込めて、つい言ってしまいがちな言葉ですが、このように言われた子どもは「まだ頑張りが足りないんだ」「頑張ったけど、認めてもらえないんだ」と感じてしまう傾向にあります。そうして頑張り続けた結果、ある日突然やる気がなくなったり、勉強が嫌いになってしまったりするケースも珍しくありません。
【NG2】「100点取れたから○○あげる」
100点を取れたご褒美として、子どもが欲しがっていたものやお小遣いをあげるという親は少なくないでしょう。しかし、教育評論家の親野智可等氏によると、子どもが何かを達成するたびにご褒美をあげていると、子どもが「何かくれないと勉強しない」と言い出したり、「じゃあ、いくらくれる?」が口癖になってしまったりする可能性があるのだそう。さらに、「お金や物をもらうために勉強する」という意識が強くなって、勉強そのもののおもしろさや価値を知ることができなくなり、自主的に勉強する姿勢が見られなくなる場合もあるのだとか。
【NG3】「○○ちゃんよりも良い点が取れたね」
子どもの兄弟姉妹や、同級生と比較して褒めてはいませんか? これは子どもにとって「他人よりも優れている=褒めてもらえる」と認識させるきっかけになってしまうため、良い声かけとは言えません。保育士として15年以上、福祉施設や託児所、保育園などさまざまな場面で保育業務に携わってきた市川由美子氏によると、ほかの子どもと比べて褒められた子どもは、他人に対して必要以上に競争意識を抱いたり、逆にほかの子どもよりも自分ができていないと感じた際に強い劣等感を覚えたりするそうです。
子どもを伸ばす褒め方4つ
子どもを伸ばすために、以下の褒め方を実践してみましょう。
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子どもを褒めるのはいいことですが、結果ではなく、それまでの過程を褒めることが大切です。褒めることを通して、子どもが「これまでの努力を認めてもらえた」「お父さんやお母さんは自分をしっかり見てくれている」と実感できるよう、工夫してみましょう。
文/田口 るい
(参考)
プレジデントオンライン|「100点答案」を褒めると勉強嫌いになる
東洋経済オンライン|子どもを「ご褒美で釣る」親はなぜダメなのか
Z-SQUARE|子どもにとって「ご褒美」とは?
All About|ほめてるつもりでほめてない?NGな子どものほめ方
現代ビジネス 講談社|子どもを伸ばす「ほめ方」とダメにする「ほめ方」は大違い!
ベネッセ教育情報サイト|上手に子どもを褒めて、自信をつけてあげよう!
ベネッセ教育情報サイト|子どもを「褒める」前に大切なこと