教育を考える 2020.12.2

「ひらめき力」ありますか? 子どもの思考力・発想力を家庭で鍛える方法

編集部
「ひらめき力」ありますか? 子どもの思考力・発想力を家庭で鍛える方法

これからの時代に求められる力として、いま最も注目されているのが思考力、そして発想力です。これらの力を伸ばすために、たくさんの習い事やさまざまな体験をさせたい、と考えている保護者の方も多いのではないでしょうか。

もちろん、特別な体験を通じて得られるものはたくさんあるでしょう。しかし、子どもの思考力や発想力を鍛えるヒントは、日常のなかにあふれているのです。今回は、すぐに実践できる子どもの思考力・発想力を鍛える方法について解説していきます。

将来のためにいま「思考力」「発想力」の土台を築こう

子育てをしていると、いまの子どもたちを取り巻く環境は、昔に比べてガラリと変わったと感じさせられます。私たち親世代が子どもであったほんの数十年前には想像もできなかったほど、社会全体がものすごいスピードで変化していることは、誰の目から見ても明らかでしょう。

特に幼児期~学童期にかけての教育においては、昔といまでは「常識」とされていることがまったく違っているケースも多く、保護者のなかには戸惑う人もいるはずです。

社会の仕組みが大きく変われば、教育のあり方や進むべき方向性も一変します。これまではペーパーテストで高得点をとることを目標にして、よい学校へ進学して安定した職業につくことが、一般的に「理想のコース」とされてきました。

しかし、これからの時代に求められる能力やスキルは、テストの点数だけでは判断できないようなものばかり。そのなかでも、子どもたちが将来のために身につけておきたい能力として、重視されているのが「思考力」と「発想力」です。

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「考える力」と「ひらめき力」が伸びるとき

思考力と発想力について、具体的に説明していきます。

思考力とは

「思考力」いわゆる「考える力」は、当然誰にでも備わっているものであり、特別な訓練などしなくても “ただ考える” ことはできるでしょう。しかし、幼児期において育むべき「思考力」は、物事を自分で判断し、自分で学んでいく力だと東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生は述べています。

情報があふれる現代社会では、正しい情報や自分にとって有益な情報を選び抜き、そこからさらに学びを深めていくことが求められます。そのために必要なのが、嘘やうわさに惑わされずに自分で考えて判断する力。そして、正しい判断力のベースとなるのは「考える力」です。

子どもの「考える力」を育てるためのカギとなるのは「好奇心」にほかなりません。「知ることが楽しくてしょうがない!」という状態になった子は、親に「勉強しなさい」と言われなくても、勝手に知識をどんどん吸収していきます。まずは、子どもが好きなことに没頭できる環境づくりと、見守ってあげる心の余裕が必要かもしれませんね。

発想力とは

「発想力」とはつまり「ひらめき力」。これからの時代は、常識にとらわれない柔軟な考え方ができたり、新しい感性で独創的なものをつくり出したりと、その人なりの個性を発揮することが求められます。

子ども教育アドバイザーの岩田かおりさんは、子どもは、周りの大人やお友だちとの『おもしろいね』『楽しいね』という会話や経験を通じ、自分とは異なる発想があることに気づき、学び、取り込み、新しいイメージをつくり出していきますと説明しています。幼児期はこのような “楽しい体験” を重ねやすいため、自然と「ひらめき力」が育まれていくそう。

子どもの発想力を伸ばそうとして、大人が無理に「考えなさい」と強要してしまうと、子どもは考えること自体が嫌いになってしまいます。大事なのは、自由な環境のなかで、のびのびと「ひらめき力」を伸ばしてあげること。そのためにも、どんどん楽しい体験をさせてあげましょう。

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思考力・発想力がアップする声かけの工夫

続いて、子どもの思考力と発想力をアップさせる声かけ例を紹介します。

思考力アップの声かけ

ー「なぜそう思ったの?」「どうしてこれを選んだの?」
教育評論家の石田勝紀さんによると、「人間は『なぜそうなの?』『なぜだと思う?』と問われると考えるようになる」のだそう。子どもが興味をもっているものや好きなものに対して、「なぜ?」と問いかけてあげることで、考えるきっかけが生まれます。

(子どもが自分で調べたあとに)「どういうことがわかった?」
子どもの知的欲求が高まっているときは、質問をされてもすぐに答えを教えてあげるのではなく、調べる方法を伝えましょう。心理カウンセラーの浮世満里子さんによると、「調べたことに対して『どういうことがわかった?』と聞き、子どもに発表してもらうと効果的です」とのこと。それにより、ますます理解力が深まるというわけです。

発想力アップの声かけ

ー「ゆっくりでいいよ」「待ってるから大丈夫」
せっかく子どもが考えているのに、「まだ?」「早く早く」と急かしていませんか? 親としてはパッとひらめいてほしいと考えてしまいますが、岩田さんいわく「『楽しい経験』や『周りの人の好反応』がなければ、子どもの発想力は育まれません」とのこと。ひらめきが生まれるまでじっくり考えさせてあげましょう。

ー「○○ちゃんらしい絵だね」「世界にひとつの絵だね」
浮世さんは、「お絵かきや工作などで、お友だちとは違う独創的な表現力を発揮している場合、ほかの子と比べたり評価したりするのではなく、ありのままの表現を認めてあげましょう」とアドバイスしています。それが自信につながり、さらに創意工夫を重ねることにつながるのです。

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ドリルを活用して、さらに思考力・発想力アップにつなげよう!

声かけのほかにも、思考力・発想力を鍛える効果的な方法があります。書店やインターネットですぐに手に入るドリルなどは、まさにうってつけのアイテムだと言えるでしょう。

『脳みそぜんりょくドリル』のここがスゴイ!

脳みそぜんりょくドリル表紙05

  • 遊びのジャンルは13種類(おえかき、クイズ、こうさく、かいぶん、いたずら、など)。その日の気分に合わせて選べる!
  • 300以上の遊びを詰め込んだ全600ページという大ボリュームで、飽きずに続けられる!
  • どこから始めてもOK、どこでやめてもOK!
  • 1ページだけでもOK、10ページ進めてもOK。自由な遊び方で思考力・発想力がぐんぐんアップする!

 
また、ページの途中でも切り離せるようなつくりになっているのも嬉しいポイント。「おえかき」ジャンルから数枚選んで切り離し、色鉛筆と一緒に荷物に入れておけば、車での移動中や食事の待ち時間にも遊ぶことができますね。

このように『脳みそぜんりょくドリル』には、子どもたちの脳をフル回転させて、思考力・発想力を伸ばす工夫がたくさんつまっています。

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集中してよ〜く考えれば小さな子どもにも簡単に解ける問題ばかり。「どっちが早く見つけられるかな?」と親子で競争しても◎

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めがねやイヤリングを描き込んだり、お化粧をしてあげたりしてもいいですね。楽しみ方は無限大!

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少し難易度が高い問題もあるので、年齢に応じて長く楽しめます

☆こちらもおすすめ!

脳みそぜんりょくドリル09
『しりとりあそび』

遊びながら言葉を覚えるのに最適な「しりとり」は、小さな子どもが言葉を使いこなせるようになる訓練にも。たったの32ページなので、「最後までやりきった!」という達成感を得やすい構成になっています。

脳みそぜんりょくドリル10
『ちえあそび6』

折る、切る、貼る、描き足す、といった動作によって手先を器用に使いながら、子どもの自由な発想力を育みます。迷路や仲間さがしなど、子どもが楽しみながら学べるしかけがたくさん!

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『めいろ1』

子どもの能力が飛躍的に伸びる2~3歳は、脳に刺激を与えてあげることで思考力や直感力がぐんぐん発達していきます。カードを切り抜いて迷路をたどったり、ページを折ったりと、手を動かしながら進めていくことでさらに効果アップ!

***
特別なことをしなくても、日常生活のなかで子どもの思考力や発想力は確実に鍛えられます。声かけを工夫したり、ドリルを活用したりしながら、お子さまの能力を伸ばすサポートをしてあげましょう。

(参考)
PHPのびのび子育て 2020年12月号, PHP研究所.
東洋経済オンライン|「考える力がない子」を変える3つの問いかけ
新井洋行(2020),『脳みそぜんりょくドリル』, ポプラ社.
宮西達也 著, みやしたはんな 絵(2015),『しりとりあそび』, ポプラ社.
宮西達也 著, 下間文恵 絵(2014),『ちえあそび6』, ポプラ社.
たかいよしかず 著, 吉田朋子 絵(2014),『めいろ1』, ポプラ社.