「秘密基地を作りたい」、「ツリーハウスで遊んでみたい」
多くの人が、幼い頃に一度は思い描く夢ではないでしょうか。
筆者も幼少期にツリーハウスの出てくる小説を読み、未だ見たことのないツリーハウスを想像して「いつかツリーハウスで遊んでみたいなあ」とぼんやり夢見ていた記憶があります。
そんな憧れのままで終わりかねない夢を「クラウドファンディング」という形で叶えたのは、小学生の子ども達でした。
「自分の力で道を切り拓く」 子ども達の挑戦
グローバル化が進み、人工知能時代にも突入している昨今、私たちの身の回りは絶え間なく変化し続けています。
英語ができることはもはや必須条件。勉強ができても、発想力の弱い人は淘汰されかねない。そんな激動の時代を生き抜くために大切なことこそ「自分の力で道を切り拓く力を身につける」ことではないでしょうか。
茨城県つくば市の英語学童保育「Kids Creation Afterschool」は日本の子ども達を対象にした、英語で学ぶアフタースクールです。「自分で人生を切り拓く実践力のある子どもを育てること」をモットーに、子ども達に主体的に考えさせる授業を中心に、真の国際人をはぐくむための教育を行っています。
今回は、そんなKids Creation Afterschoolで行われる「探求プログラム」という授業を通して生まれた、子ども達の「挑戦」に迫りました。
子ども達の作ったツリーハウスのポスターです。
「考える力」を身につける授業から発生した夢
探求プログラムの様子。真剣な眼差しで取り組んでいます。
Kids Creation Afterschoolでは毎回一つのテーマを設定し、子ども達で意見を出し合って探求することによって「考える方法」や「問題解決能力」を身につけることを目標としている「探求プログラム」という授業を行っています。
今回の探求プログラムの議題は「学童の庭をもっと楽しくするには?」。
「秘密基地があったらおもしろいんじゃない?」
「でも、園庭に秘密基地なんか作ったら遊び場が狭くなっちゃうよ」
まだまだ、話し合いと調べ学習は続きます。みんなとっても楽しそう!
そんな話し合いと、本やインターネットを使った調べ学習の末に、子ども達はツリーハウスを作ることを思いつきます。しかし、子どもだけの話し合いではどうしてもツリーハウスの作り方や資金の集め方が分からず、先生に相談することに。
そこで「クラウドファンディング」というシステムの仕組みを教わり、「仲間が増えれば夢が叶うかもしれない」と世界に向けて自分達の夢を発信することを決意しました。
子ども達の挑戦の始まりです!
クラウドファンディング開始 そして「夢」が「現実」に
CAMPFIRE × Tsukuba 主催のイベント「クラウドファンディングで最高の仲間をみつけよう」にて、子ども達が壇上に上がってプレゼンをしました。
沢山の人の前で緊張しながらも頑張りました!
緊張しながらも懸命に思いを伝えた甲斐あり、公開直後から少しずつ支援者が増えていきます。しかし、目標には簡単には届きません。
もっとたくさんの人に活動を知ってもらうにはどうしたら良いか、子ども達で調べ学習や話し合いをした結果、マスメディアに情報を伝えてもらうための文書である「プレスリリース」という言葉を発見。マスメディアに向けて自分達の夢を伝えるべく、みんなで悩み、真剣に話し合いながらプレスリリースも作成しました。
その他にも、ポスターを作って貼り出したり、チラシを配ったり、自分達で活動報告を更新したりと努力を重ねた結果、ついに目標金額に達成! みんな飛び跳ねて大喜びです。その後も話し合いを続け、「ハンモックを下げたい!」「ブランコを作りたい!」と新たなネクストゴールを設定します。
新たな目標金額にも着々と到達していきましたが、そんなさなかの9月6日、北海道胆振東部地震が発生。緊急のこども会議を開き、先生から被災地の現状について説明を受けながら真剣に考え、話し合いました。
その結果、元々は先生側から提案するつもりでしたが、子ども達自身が「今度は自分達が北海道の人たちの仲間になって助けたい」と支援金の寄付を即決。
9月8日以降に集まった支援金は全額義援金として寄付するという決断をしました。
仲間と力を合わせれば大きな力になり得ることを体感した子ども達だからこそ生まれた決断ですね。
クラウドファンディングが終了!
最終的な支援者数はなんと197名。目標の1,300,000円に対し、総額2,035,900円の支援金が集まり、そのうちの9月8日以降に集まった279000円を被災地に送金しました。満を持してツリーハウス建築工事の始まりです。
ツリーハウス建設のリターンイベントに応募してくれた支援者や保護者と共に、プロの丁寧な指導を受けながらみんなで少しずつ建築作業を勧めます。
初めての経験に子ども達も真剣な眼差しに。
大人も子供も、それぞれのできることを役割分担しながら力を合わせて汗を流しました。そして、ようやく念願のツリーハウスが完成!
オープニングパーティーを開催し、クラウドファンディングの参加者の方々と共にツリーハウスの完成をお祝いしました。可愛いツリーハウスに子ども達も大はしゃぎ。理想のツリーハウスを完成させることができました。
みんな眩しい笑顔です!
「学童の庭を楽しくするには」というテーマで話し合いを始めてから7カ月。ついに子ども達は「園庭にツリーハウスを作る」という大きな目標を自分達の力で達成することができました。
このクラウドファンディングを通して、子ども達は新しい資金調達の方法だけでなく、想いの伝え方、あきらめないこと、仲間の大切さなど、様々なことを学びました。この経験はきっと大きな自信になり、心の糧になったことでしょうね。
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自分達の力でクラウドファンディングを大成功させた子ども達。自力で考え、実行し、夢を叶えた彼らの「道を切り拓く力」はどのように身につけられたのでしょうか。
次回の記事では、Kids Creation代表宮嶋さやか先生に子ども達の「道を切り拓く力」について詳しくお伺いします。
【Kids Creation Afterschool】
〒305-0003
茨城県つくば市桜1-18-1
029-869-5830
日本の子ども達を対象にした英語で学ぶアフタースクール・学童保育。英語を第二言語として学ぶ子ども達のためにデザインされた指導カリキュラムに、日本語で学ぶ「探求プログラム」を組み合わせることでグローバル時代に必要とされる真の国際人へと育てる教育を行っている。