教育を考える 2020.2.20

「お手伝い」で子供の自己肯定感が高まる!? オススメの家事やグッズをご紹介します

編集部
「お手伝い」で子供の自己肯定感が高まる!? オススメの家事やグッズをご紹介します

子供にお手伝いをさせていますか?

「お手伝いをさせたいけれど、どんな内容がいいのかわからない」
「いつからお手伝いを始めればいいのかわからない」
「そもそも、お手伝いをさせる必要ある?」

このようにお悩みの方は、多いのではないでしょうか。たしかに、子供が小さいうちは、子供にお手伝いをさせるほうが余計に時間も手間もかかってしまいます。また、「お手伝いをさせる時間があるなら、勉強をさせたほうが子供のためになる」と考える方もいることでしょう。

しかし、お手伝いには、これからの社会を生きていく子供たちにとって必須のスキルを身につけられる効果があるのです。今回は、子供がお手伝いをすることで生まれるメリットや、お手伝いの内容おすすめのお手伝いグッズをご紹介しましょう。

子供にお手伝いをさせるメリット1:自己肯定感が高まる

子供にお手伝いをさせると、「自己肯定感が高まる」ことをご存じですか?

独立行政法人国立青少年教育振興機構・理事長の鈴木みゆき氏は、子供がお手伝いをすると、子供の自己肯定感が高まると述べています。同氏いわく、お手伝いをするということは、家の中に自分の役割や居場所があるということ。役割や居場所があると、子供は「必要とされている」と感じ、子供の自己肯定感が高まるのだそう。

実際に、お手伝いを多くしている子供のほうが自己肯定感が高いという調査結果も出ています。国立青少年教育振興機構が2016年度に実施した「青少年の体験活動等に関する実態調査」によると、お手伝いを多くしている子供のうち、自己肯定感が高い・もしくはやや高い子供62.9%。対照的に、お手伝いをあまりしていない子供のうち、自己肯定感が高い・もしくはやや高い子供24.9%しかいなかったのです。

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自己肯定感を高めるお手伝いの内容

では、子供の自己肯定感を高めるためには、具体的にどのようなお手伝いをさせるのがよいのでしょうか。自己肯定感を高めるのに特に有効なお手伝いは、「掃除・片付け」です。シュタイナー教育を実践する「ぎんのいずみ子ども園」の園長を務める山本ひさの氏いわく、身のまわりが片付くと、「自分の行動が役立った」という感動が生まれ、自己肯定感が育つのだそう。

しかし、多くの場合、パパ・ママが使っている掃除道具は、子供にとって扱いづらかったり、サイズが合わなくて持ちづらかったりするもの。モンテッソーリ保育園「ピースボート子どもの家」の代表を務める小野寺愛氏は、娘さんが2歳の頃に、子どもの小さな手でも使いやすいよう小さなミトン型の雑巾を作ったと言います。その結果、ミトンの中に手を入れて自分で拭き掃除ができるようになったのだそう。子供がお手伝いをする際に支障がないよう、子供が扱いやすい掃除道具を用意してあげることが大切ですね。

前出のように、ミトン型の雑巾を作ってもよいですし、以下のような子供でも扱いやすいお掃除グッズを購入するのもおすすめです。手袋型なので、小さな子供でも簡単に拭き掃除ができますよ。

 
また、大人がワイパーなどを使っているのを見て、まねしたがる子供は多いのではないでしょうか。しかし、小さな子供には、ワイパーは長すぎて扱いにくいもの。その場合には、アンパンマンの「おしゃべりおそうじワイパー」がおすすめです。ボタンを押すと、アンパンマンのおしゃべりやメロディが流れ、「おてつだいがんばったねカード」もついているため、小さな子供のお手伝いにぴったりです。市販の替えシートをつけられるので実用的ですよ。

 
お手伝いを習慣づけるためには、これらのお掃除道具を子供が自分で取り出せる場所に保管することが大切です。定期的に「お掃除のお手伝いしてくれるかな?」と声をかけても良いですし、子供が食べ物をこぼしてしまったり散らかしてしまったりしたときには、「汚したら綺麗にしようね」と自分で掃除をさせてもいいでしょう。子供がお手伝いをしやすいように、大人が環境を整えてあげることが大切です。

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子供にお手伝いをさせるメリット2:非認知能力が育つ

子供にお手伝いをさせると、非認知能力も育ちます。

非認知能力とは、IQや学力テストで測定できる読み・書き・計算などの能力(認知能力)とは異なり、自制心や、やり抜く力忍耐力社交性などの「数字で測ることが難しい能力」のこと。アメリカの経済学者、ジェームズ・ヘックマンが行なった調査により、幼児期に非認知能力を高める教育を受けた子供たちは、そうでない子供たちと比べて年収や学歴が高いことがわかっています。

劇作家・演出家であり教育活動に携わっている平田オリザ氏いわく、お手伝いをすることで非認知能力が育まれるそう。ただし、同氏いわく、今の日本の子供たちは、家事の急速な電化によって、家事の手伝いをしなくなっているのだとか。たしかに、食洗機があれば食器を洗う作業は必要なくなりますし、乾燥機能のついた全自動洗濯機があれば洗濯もボタンひとつで終わってしまいます。お掃除ロボットを使っている方も少なくないことでしょう。便利な時代ですが、このように家庭の電化が進んだ今、子供の非認知能力を育むためには、大人が意識的に子供にお手伝いをさせることが大切なのです。

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非認知能力を高めるお手伝いの内容

非認知能力の中でも特に「やり抜く力」が、近年重要視されていることをご存じでしょうか。「やり抜く力」は「Guts(度胸)」「Resilience(復元力)」「Initiative(自発性)」「Tenacity(執念)」の4つの要素の頭文字をとってGRITと称されています。

ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開するボーク重子氏いわく、子供に「料理のお手伝い」をさせることで「やりとげる力」が育つのだそう。

ボーク氏は、お子さんが小学校に上がったときから、日曜日の朝ごはんを作ってもらっていたそう。同氏が子供に料理をさせるときには、予算だけ親が決め、メニュー決めや食材調達、調理など料理を完成させるまでの一連の作業は全て子供に任せているのだそう。そうすることで、「調理に○時間かかりそうだから、○時までに買い物に行かないと」「予算が○円だからこの食材は買えない」など、目標を達成するために考えながら行動し、時には我慢もするという流れが身につき、「やりとげる力」が身についていくのだとか。

しかし、まだ小さな子供にいきなり大人用の包丁を使わせることを心配に思う方も多いのではないでしょうか。子供に調理器具を使わせることに不安がある場合には、以下のような子供向けの料理グッズがおすすめです。

 
刃先とあごの丸い包丁、やわらかく扱いやすいまな板、5種類の抜き型、ピーラー、おたま、マッシャー、ターナー、泡立て器のセット。子供が使いやすいように工夫されたかわいいデザインなので、料理のお手伝いデビューにぴったりですよ。

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子供にお手伝いをさせるメリット3:マネー教育につながる

子供にお手伝いをさせるメリットには、「マネー教育につながる」という点もあります。みなさんは、お子さんにお小遣いをあげていますか? 「毎月○円」と学年に応じて毎月決まった金額をあげる、いわゆる「定額制」でお小遣いを渡している方が多いのではないでしょうか。しかし、じつは、マネー教育に効果的なのは、子供が家事などのお手伝いをした際に、内容に応じた金額を渡す「報酬制」です。

「子供にマネー教育なんてまだ早いのでは」と考えている方も多いかもしれませんが、昨今は事情が変わってきています。私たち親世代が子供の頃、子供だけで出かけるときに持ち歩くお金はせいぜい数百円から千円程度だったのではないでしょうか。しかし、キャッシュレス決済が進んだ現代では、電子マネーなどを用いて、子供でも当たり前に大金を扱えるようになりました。

また、2022年4月より、成人年齢が18歳に引き下げられ、18歳以上であれば親の同意なくクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることもできるようになります。「子供にマネー教育なんて必要ない」という考え方では、将来子供が困ることになるかもしれないのです。

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マネー教育につながるお手伝い

お小遣いを、毎月決まった金額渡すのではなく、子供がお手伝いをした際に報酬として渡すようにすると、お手伝いをマネー教育につなげることができます。

『全米No.1バンカーが教える 世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法』(アスコム)の著者である酒井レオ氏によると、定額制のお小遣いの場合、「もらう前から『次のお小遣いが入ったらアレを買おう』と、頭の中が物欲に支配されてしまう」のだそう。報酬型のお小遣いであれば、定額制のお小遣いとは異なり、毎月必ずもらえるわけではありません。そのため、お金のありがたみがわかり、きちんと考えてお金を使うことができるようになるのです。

元メガバンク支店長でコンサルタントとして活動している菅井敏之氏は、お金を「困りごとを解決したときに対価としてもらえるもの」と称しています。「言われずにやったら○円」「手間のかかる家事をしたら○円」などのルールを決め、子供が率先して「困りごと」を探せるようにするとよいですね。あくまで、「困りごとを解決したときにもらえるもの」なので、家族の一員として毎日行なうのが当然のお手伝いには、報酬を発生させないようにしましょう。子供のために、お手伝いの内容と金額を、表やカードにまとめておくのもおすすめです。

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子供にお手伝いをさせることには、あらゆるメリットがあります。子供が小さいうちは、お手伝いをさせるほうが余計に時間や手間がかかることもあるかもしれませんが、子供がお手伝いをしたときには、「ありがとう」「助かったよ」と声をかけてあげてくださいね。

(参考)
月刊クーヨン編集部 (2015), 『できる子になる! 0歳からのお手伝い』, クレヨンハウス.
日経BPブックナビ|GRIT(グリット) 平凡でも一流になれる「やり抜く力」
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリット――お手伝いの習慣が高い学力につながる理由
国立青少年教育振興機構|青少年の体験活動等に関する意識調査(平成28年度調査)
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プレジデントオンライン|毎月小遣いをもらう子供はいずれ”社畜”になる
酒井レオ(2019), 『全米No.1バンカーが教える 世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法』, アスコム.