マインドマップとは「頭で考えているイメージと連想を紙に書き出したもの」。
イギリスの教育家トニー・ブザンが生み出したこの思考技術をうまく活用することで、脳を効果的に使えるようになり、おとなもこどもも仕事や勉強や生活を充実させることができます。
その効果は、マインドマップが誕生して40年以上経つ今や世界中の2億5千万人もの人たちが使っていることで証明されています。
今回はこども向けの書き方を中心に詳しくご紹介します。
<マインドマップの書き方>
【用意するもの】
- 白い紙(横向きに使う)
- カラーペン
- 自分の脳
【手順】
- 中心にテーマを書く。
- 中心から連想することを枝のようにのばす。
- それぞれの“枝”に考えたことやアイディアを書く。色を変えて、できるだけ絵も一緒に。
- “枝”の先にさらに“枝”をのばしてマップを大きく広げていく。
マインドマップを実際に書いてみよう!
まずはシンプルな基本形でマインドマップに慣れましょう。
【例】
テーマ:好きなもの
(サンプル画像は筆者作成)
あまり深く考えず、思いつくままにお絵描きするように書くと楽しいと思います。
マインドマップで何ができるの?
書き方さえわかれば、テーマを変えていくらでもマインドマップが作ることができます。小学校低学年の頃に遊び感覚で始めてしまえば、中学年からは勉強にも活用できるようになるそうですよ。
“魔法の道具”マインドマップを使うことで期待できる効果をもう一度確認しましょう。
- ◎覚えやすくなる
- ◎ノートをわかりやすく書けるようになる
- ◎アイディアが湧きやすくなる
- ◎時間を節約できるようになる
- ◎集中できるようになる
- ◎テストでいい点数が取れるようになる
『マインドマップ FOR KIDS 勉強が楽しくなるノート術』では、「マインドマップは頭を整理する方法なので、勉強に生かす場合は歴史、算数、国語、理科など教科ごとにサンプルとなる“形”がある」と紹介されています。今までノートに箇条書きに書いていたことをマインドマップでは絵のように枝分かれするように書いていくイメージです。
<マインドマップの書き方~暗記のための基本形~>
たとえば、何かを覚えるためのマップの基本形はこちらです。
(サンプル画像は筆者作成)
<マインドマップの書き方~小学校低学年~>
これがまだ難しいお年のお子さんなら、シンプルで簡単なテーマを身近なところから選ぶのがいいでしょう。「わたし」「好きなたべもの」「わたしの家」などです。絵本や本を読んだ感想なども適しています。ほかにも、以下のようなテーマもおすすめです。
- 印象にのこったこと…(例)「うれしかったこと」
- 観察したもの…(例)「歯ブラシ」
- 体験したこと…(例)「夏休みの思い出」
- 夢…(例)「わたしの夢のお店」
【例】
テーマ:今日のできごと
(サンプル画像は筆者作成)
【例】
テーマ:はぶらし
(サンプル画像は筆者作成)
慣れてきたらより細かく、詳しく書いていくといいでしょう。でてきたキーワードについて調べて書き込むようにすると、まなびにもつながります。
上記の画像を参考に、小学校1年生がはじめて書いたマインドマップがこちらです。休日に、家族で春を探しに出かけたときの思い出を書いたそう。
この児童はマインドマップを書くにあたって、植物図鑑と昆虫図鑑を活用したといいます。また、マインドマップを書いたことで、テーマである「春」にとても詳しくなったと親御さんは話していました。
お子さんと一緒におとなもチャレンジ!
書き方は難しくはないのですが、「思考を書き出す」という行為は慣れるまでに少し時間がかかるかもしれませんし、自由に書いていいと言っても「形」としてのルールはあります。こどもにそれを押し付けてイヤになってしまっては本末転倒ですよね。
そこで、オススメなのがおとなも一緒に書いてみること。お母さんだったら、スーパーのお買い物リストや週末の予定をマインドマップ風に書いてみるなど、こどもも興味を持ってみてくれそうなものを一緒に書いてみましょう。
そのほか、メンタルケアにも役立つという一面も紹介されています。あのメンタリストDaiGoさんも著書の中で「親御さん自身のマインドコントロール」にマインドマップを利用することを勧めています。
実際、毎日忙しく過ごしていてイライラも募りがちなお母さんが「イライラすること」をマインドマップに書き出してみたところ、何が原因なのかがはっきりして、対策が取れるように。そのおかげでイライラが減って心の余裕ができ、お子さんとの楽しい時間が増えたという嬉しい結果に繋がったそうです。頭だけでなく、気持ちの整理にも使えるマインドマップの可能性は無限大なのかもしれませんね。
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発祥の地イギリスでマインドマップの大規模イベントが伝統あるロイヤル・アルバートホールで開かれた際は、全国から9000人の子どもたちが集まったそうです。熱狂的な会場の様子はさながらアイドルのコンサートのよう。「まなぶ楽しさ」を知った子どもたちのその姿はなんとも興味深かったです。
正直、実際にやってみるとおとなでもなかなか難しいです。とても頭を使います。最初は戸惑ってなかなか書き進まないと思いますが、書き出すことに慣れ、コツを習得すればこれから一生使える便利なツールとなりうるでしょう。使いこなす人はなんでもついマップを書いてしまうと聞きます。特に子どもたちの頭はおとなよりもずっと柔軟ですから、お絵描き感覚ではじめてみるのが良さそうですね。
(参考)
トニー・ブザン著・神田昌典訳(2006), 『マインドマップ FOR KIDS 勉強が楽しくなるノート術』, ダイヤモンド社.
ブザン教育協会監修(2010), 『小学生のためのマインドマップで作文すらすらワーク』, 小学館.
DaiGo(2015), 『子育ては心理学でラクになる』, 主婦と生活社.