お子さまはどんなアートが好きですか?
切ったり貼ったりする「工作」が好きな子、頭の中のイメージを紙いっぱいに表現するような「お絵描き」が好きな子、絵本の表紙を「模写」することが好きな子。アートのアンテナがビビビと反応する瞬間は、その子によってさまざまです。
今回は、お絵描きと工作がドッキングしたアート作品をご紹介します。どの工程にお子さまのアートアンテナが反応しているのか、注意深く見てみてくださいね。好きな表現方法をたくさんさせてあげることで、お子さまはアートが大好きになると思いますよ♪
観察画が得意な子どものタイプとは?
10人いれば10通りの性格があるように、子どもたちにもそれぞれ好きな表現方法があります。お絵描きひとつとっても、「視覚的タイプ」と「触覚的タイプ」があるのです。
「視覚的タイプ」は、目で見た情報を描く事に長けているので模写が得意で、第三者が見ても、「その子が何を描いているのかわかる」作品が多いです。しかし、この視覚的タイプは、想像したイメージを描くのが苦手な場合もあります。
おもしろいエピソードをご紹介しましょう。「何でも自由に描いていいんだよ」と言ったときは、なかなか絵が描けない年中さんの子がいました。でも、園で観察画を描いたときは、ほかの誰よりもうまく描けていたのです。この子はまさに視覚的タイプですね。
逆に「触覚的タイプ」は、目で見た情報よりも感覚的なイメージであったり、想像した物を描いたりする事が得意。
お子さまはどちらのタイプでしょう? いえ、どちらのタイプだっていいんです。子どもの絵がどちらのタイプであったとしても、その子の長所を認めてあげることが大切なのだから。
「工作が苦手」「色が上手に塗れない」なども同じです。もしかしたら、クレヨン画が得意かもしれないし、色鉛筆のほうが好きなのかも―ー。その子に合った表現方法は必ずあるはずです。お子さまの長けている部分を見つけてあげてください。
大好きな人に贈ろう! ラブレター入りバレンタインカード
<材料>
- 洗濯のり(PVA)
- 厚手のジップ付き小袋
- 好きな色の水彩絵の具
- 厚紙
- お手紙用の紙
- セロハンテープ
- 好みのシールなど
<作り方>
- 厚手のジップ付き小袋に洗濯のりと絵の具を入れます。洗濯のりは少なめ(袋の1/4以下)がいいです。
- 袋のジップをしっかり閉めて、洗濯のりと絵の具をよくもんで混ぜます。
- 袋を貼るための台紙となる厚紙を、ハートや好きな形に切っていきます。そして、心を込めてお手紙を書きましょう。袋より一回り小さいお手紙を準備してくださいね。
- 洗濯のりと絵の具を入れたジップ付き小袋を、セロハンテープで厚紙に貼ります。袋は3辺のみセロハンテープでとめて、ポケット状になるようにします。空いているところからお手紙を差し込みますよ。
- お手紙をポケットの中に入れて完成です! 指でなぞると、お手紙の文字が透けて見えます。ドキドキワクワクの愛の告白ができそうですね。
「お絵描き、あまり好きじゃない……」という子の気持ち
長い間、子どもたちへアート指導をしているなかで、子どもたちの様子の変化に気を使い始めるのが年中さんくらいからでしょうか。(その子にもよりますが)年少さんは、クレヨン、のり、絵の具などあらゆる道具を使うことが新鮮で、どんな制作に対しても結果を恐れずに向き合う姿が見られます。
しかし、年中さんになってくると、「今は描きたくない」「折り紙、いやなの」など、制作に向き合う姿勢に個人差を感じるように。これは、年少さんのときよりも、他者の存在がより大きくなってきているからだと思います。
〇〇ちゃんは「上手だね」と褒められたのに、自分は「上手だね」と言われなかった。もしくは、「うちの子、ぬり絵が下手なのよね」なんていう、親の何気ない一言がきっかけで、苦手意識を持ってしまったなど、いろいろな要因があると思います。
作品に違いがあるのは、ごく自然なことです。ただ、その差を「個性」ととらえるか「甲乙」ととらえるかで、子どもたちの意識は変わってしまいます。甲乙ではなく、個性としてポジティブにとらえられる言葉がけを日頃から意識してみてはいかがでしょうか。
たとえば、「上手だね」は抽象的で表面的な言葉なので、あまりおすすめはしません。それよりも、子どもたちの自信につながる、「私はあなたの作品の○○のところが好き」といった、「私は」から始まる「Iメッセージ」を心がけてみてください。逆に、「あの子は丁寧に塗っている」「もっとこうしたら」などの、他者との比較や、見栄えを気にする言葉がけは、子どもたちに「正解を求めている」のでやめたほうがいいでしょう。
「お絵描き、あんまり好きじゃない……」という子の苦手意識は、自由に描くことへの自信のなさというより、「何が正解かわからない」という不安から来ているかもしれませんよ。
アートはもともと正解がありません。濁った色がきれいと思うこともありますし、線からはみ出た塗り絵にも勢いを感じます。「甲乙」ではなくて「違い」を受け入れてあげることが、苦手意識を無くす第一歩。ほかの人が使わない色をきれいだと思えることがすばらしいですし、ほかの人ができないストロークで色を塗れることも才能のひとつだと思って、あらゆる表現を受け入れてあげたいですね。
***
■芸術による教育の会ホームページ
「芸術による教育の会」は、5つの事業と60年以上の実績をもとに美術を通して、子どもたちの成長に寄り添います。
■お家でビジュツ! 動画で学べる! 作品を掲載できる! どこでもアート!!
- インターネット美術教室なので、自宅でレッスンが受けられます。必要な教材は発送します。
- お子さまに合わせたカリキュラムを作成し、個性を引き出して伸ばします。
- それぞれの成長段階や個性に合わせた技術指導を行います。
- YouTubeの動画もあるよ。いろんな工作動画を見て下さい。