教育を考える 2018.5.8

仕事やビジネスだけじゃない! 資格・検定は “子どもの教育” にも役に立つ。

鈴木秀明
仕事やビジネスだけじゃない! 資格・検定は “子どもの教育” にも役に立つ。

はじめまして。「資格」と「学び」のコンサルタント、鈴木秀明と申します。大学生・ビジネスパーソン向けのメディア「StudyHacker」での連載『資格Hacker 鈴木秀明のシカクロード for StudyHacker』に続き、こちらの「StudyHackerこどもまなび☆ラボ」でも連載を持たせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

まずは私自身の自己紹介を簡単にさせていただきます。

資格取得家・資格研究家。
1981年8月4日富山県生まれ。
東京大学理学部卒。東京大学公共政策大学院修了。
気象予報士・中小企業診断士・行政書士・証券アナリストといった「難関」とされる資格から、アロマテラピー検定・MTVロック検定・お好み焼き検定・ねこ検定といったゆる~い趣味系の検定まで、570以上の資格・検定試験にすべて独学で合格してきた、ひらたく言うといわゆる「資格マニア」です。
(ちなみに東大受験も独学で合格しています)

総合情報サイト「All About」にて資格ガイドを務めるほか、資格・勉強法ライター、資格関連の雑誌・書籍の監修、テレビ・ラジオなどの各種メディア出演など、資格・勉強法の専門家として活動しています。資格取得は趣味でもあり、仕事でもあり、日課でもあります。

ほぼ毎週何らかの資格試験を受験し、1日に複数の試験をハシゴすることもザラ。年間50個以上のペースで資格を取得しています。ということは資格1個あたり平均約7日間の勉強で何とかしてしまっていることになるわけですが、そんな私の勉強法を『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』(ダイヤモンド社)という書籍にまとめたりもしています。

いろんな分野の資格・検定試験に挑戦することは、今まで知らなかった新しい世界を知ることにつながります。「資格取得は最強の学びだ!」をモットーに、日々資格を取り続けています。

資格・検定で学んだ知見を、子どもの教育に活かす!

さて、本連載の趣旨ですが、「資格や検定って、仕事やビジネスだけじゃなく、実は子どもの教育や子育てにも大いに役立ちますよ」ということを書いていきたいと思っています。

私の友人におもしろい人がいます。保育士志望というわけではないけれど、子どもが生まれるので育児のことを学ぶために保育士試験の勉強を始めてみたところ、すっかり保育関連の学びにハマって最終的に保育士試験に実際に合格するまでに至ってしまい、今はそこで学んだ知見を活かして保育ブロガー的な活動をしていたりもします。ひょんなきっかけで始めたことが、思いもよらない方向に広がりを見せていくことって意外とあるものですね。

「ある分野や業界のことを知りたければ、その分野にかかわる資格の勉強をしてみるのが一番てっとり早い」というのが私の持論です。さきほどの保育士の事例が一番わかりやすいと思いますが、子どもの教育や子育てに役立つヒントが得られるような資格・検定は、他にも意外とたくさんあります。

心理学や教育学など、大学で専攻していたりでもしなければ学ぶ機会がなかなかないようなことも、その分野の資格・検定を活用すれば、手軽な学びのきっかけとして大いに利用できるのです。

本連載では、そんな「子どもの教育や子育てに役立つ資格・検定」を具体的にテーマごとにご紹介していきます。

「資格試験を実際に受けるまでしなくても、子育て関連の実用書や専門書を読めばいいのでは?」と思われるかもしれません。確かに、そうした書籍を読むだけでも有用な知識を得られるようにも思えますが、ただ本を読むだけの勉強では「わかったつもり」に陥ってしまいがちです。

資格・検定の問題集や実際の試験を活用し、自分で「問題を解いてみる」ことで、知識が本当に身についているかどうかを確認できます(単なる「わかったつもり」だと、いざ問題として問われたときに意外と出てこないものです)し、「試験合格という目標を立ててみる」ことで、学びの指針や計画が具体化できたり、勉強へのモチベーションが確立できたりします。

学生時代の経験から、「試験」というものにマイナスイメージを持っている人も多いかもしれませんが、大人になってからの勉強は、やらされるものではなく、自分が興味・関心のある分野の知見をより深めたり、新しい世界を知ったりするためのもの。ぜひプラスにとらえていただいて、積極的にチャレンジしてみてもらえればと思います。

シカクロード第1回2

「子育て費用」の総額は22年間でいくらになる? 調査結果をもとに計算してみた。
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子どもに受けさせたい検定もいろいろ!

また、「子どもの学びを促進するために、資格・検定にチャレンジさせてみる」というのも、子どもの教育や子育てへの資格・検定の活用法のひとつです。

そもそもですが、「受験」や「定期テスト」のような明確なゴールというかマイルストーンがあったりでもしない限り、日々の勉強へのモチベーションというのははなかなか維持できないものです。そこで、「〇月に行われる〇〇検定〇級に合格する!」というように、資格・検定試験の合格をひとつのマイルストーン・目標として設定してみるのがおすすめです。

私は資格マニアとして毎週いろいろな資格・検定試験を受けに行きますが、明らかに大人向けの資格試験に小学生くらいの子どもが混じって受験していたり、趣味・教養分野の検定にその分野のファンらしき子どもが想像以上に大勢受験しに来ていたりするのを見て驚くことがしばしばあります。

受験者データとして最高齢・最年少の合格者年齢が公開される資格試験もありますが、10歳前後の小学生が合格しているケースも決して珍しくありません。難関の国家資格として知られる気象予報士試験も、最年少の合格者は小学生なんだそうです。合格には大学レベルの科学知識も必要になる試験ですが、小学生でも「好きなことを極める」ことが高じればこんなすごい結果を出すこともできるのだなと舌を巻くばかりです。

資格という「称号」を得ることが勉強のモチベーションになります。ある種のゲーム感覚で勉強を楽しめるようになるのです。また、大人向けの試験を「大人の中に混じって受ける」こと自体が、子どもにとっての特別な体験ややりがいにもなります。そうした点が、学校での勉強や単なる習い事とは違うところです。もちろん、大人対象ではなく小中学生を対象に実施されている検定もありますので、そのような検定にチャレンジしてみるのもよいでしょう。

そんな「子どもにこそぜひ挑戦してみてほしい資格・検定」についても、本連載ではさまざまなジャンルごとにご紹介していきます。

ドキドキワクワクの資格・検定ワールドへ、いざ!