ある調査によると、自家用車を所有している人は全国的に81.8%であるものの、東京都にいたっては59.0%という結果が出ました。このことからも、首都圏ではマイカーを持つことに消極的な人が増えているということがわかります。
都会は鉄道などの交通網が発達しているので、マイカーがなくても移動には不便を感じないかもしれませんね。しかし、小さい子どもがいるご家庭では、「車があればなぁ」と感じる場面が多々あるのではないでしょうか? 日常の送り迎えだけではなく、家族で遠くに出かけたり、キャンプや自然体験をしたりするには、やっぱり車があると便利ですよね。
いま「カーシェアリング」というサービスをうまく利用して、“マイカーがなくても車のある生活”を楽しむ人が増えています。最近ではライフスタイルの変化に合わせてカーシェアリングをうまく活用している人も多いそう。
そこで今回こどもまなび☆ラボでは、小さいお子さんがいるご家族にぴったりの嬉しいサービスが満載のカーシェアリングサービス『カレコ・カーシェアリングクラブ(以下「カレコ」)』にインタビュー! お話をうかがったのは三井不動産リアルティ(株)シェアリング事業本部の松山遥さん。3歳の男の子のお母さんです。
豊富な車種で各家庭のニーズにマッチ
ーーまずは『カレコ』についてお聞かせください。
松山さん:
『カレコ』は三井不動産リアルティが運営するカーシェアリングサービスで、2009年に代官山の三井のリパークでスタートしました。会員数は現在10万人を突破し、30~40代のファミリー層によくご利用いただいています。
ーーまさに『こどもまなび☆ラボ』の読者層である、3歳~小学校3年生のお子さまをもつご両親世代ですね。やはり男性の利用が多いのですか?
松山さん:
そうですね、7~8割が男性です。ただ、お父さんのカードで登録してお母さんも家族会員として利用する、という使い方も多いようです。
また、男性の方にお話を聞くと、家族で乗るときはミニバンなどの大きな車を選んで、ひとりのときはスポーツカーに乗る、と使い分けている方もいらっしゃるみたいですね。車好きの方は、いろいろな車に乗りたいという願望があるようですが、家庭を持たれると頻繁に車を買い替えるわけにはいきませんよね。
ーーその点では、車種が豊富な『カレコ』を利用することで、いろいろな車に乗ることができますね。
松山さん:
現在56種類の車種をご用意しています。『カレコ』は輸入車が多いのも特徴で、メルセデス・ベンツ日本にご協力いただいて、オープンカーなども揃えています。あと、トヨタのハイラックスのように、後ろに荷物をたくさん積めるアウトドアに適した車のご用意もあります。
ご家族で遠くにお出かけするとき、やっぱり人気なのは大きな車です。一般的にカーシェアリングで導入される車は、小回りが利くコンパクトカーが大半であることが多いのですが、『カレコ』ではミニバンとSUVに力を入れています。車種の入れ替えも順次進めていき、2019年3月にはSUVが35%、コンパクトカーが33%、ミニバンが19%、セダンが9%、プレミアムカーが3%の割合となる予定です。
多様化した価値観に応えるサービス
ーー昨今、御社も含めてカーシェアリング事業がとても増えています。首都圏を中心に増えていることから、核家族の増加など家族のかたちが変わってきたことも影響しているのでしょうか? また、昔に比べて車を持つことがステータスではなくなった、という価値観の変化も感じられますか?
松山さん:
昔に比べて「変わった」というよりも「多様化している」ということなのだと思います。
もちろん今も、車を持つことをステータスだと思っている方もいらっしゃいます。でも一方で、「持つこと」にはこだわりがなくて、「乗ること」に興味がある方もたくさんいます。ただ「便利だから使いたい」という方も。
つまり、価値観がひとつじゃなくなった。その選択肢のひとつとして、カーシェアリングが流行ってきているのではないでしょうか。
ーーただ、いくら便利でも手続きが面倒だったりシステムが複雑だったりと、簡単に借りられないんじゃないの? と二の足を踏む方も多そうですが……。
松山さん:
『カレコ』は、最短で申し込みの当日から車が使える、という手軽さも人気の秘密です。インターネットで申し込みをしていただき、予約した車の前に行ってスマートフォンに表示されるボタンを押すとドアが開きます。また、お手持ちのSuicaやPASMOを事前に登録しておけば、車に設置されているカードリーダーにかざしていただくだけでドアが開きます。開錠後は車の中に鍵が入っているので、マイカーと同じように利用することができます。
ーーそれは簡単ですね! こんなに手軽にできるとは驚きました。
松山さん:
そうなんです(笑)。よくわからないサービスだと思われていることがすごく多くて、もっとたくさんの方にこの手軽さが伝わればいいなと思います。一度使ってみると、「あ、簡単なんだな」と納得されるはずですよ。
1回30分の使用もOK! ライフスタイルに合った乗り方を
松山さん:
料金については、個人の契約ですと3つのプランをご用意しています。
■ベーシックプラン
月会費980円(ご利用料金から980円割引あり)
いつでもお手頃なプラン。みなさまにおすすめです。
■平日プラン
月会費980円(ご利用料金から980円割引あり)
平日がさらにお手頃なプラン。平日によく使う方へ。
■月会費無料プラン
月会費0円
月会費が無料のプラン。年に数回しか使わない方へ。
※料金プランについてくわしくはこちら
ーーみなさんどのような基準でプランを選んでいるのでしょうか?
松山さん:
一番人気があるのは「ベーシックプラン」です。いつでもお安くお使いいただけるのでおすすめですね。あと、平日の利用料金が安い「平日プラン」については、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせた使い方ができると好評です。
「平日プラン」は、月~金まで幼稚園や習い事の送り迎えをしなければならないので“頻繁”に“短時間だけ”使いたい、というケースにぴったりなんです。かわりに土日の料金を「ベーシックプラン」に比べると高めに設定していますが、平日だけ使いたいという方にとっては、とてもお得なプランです。
たとえば、10歳、7歳、4歳の3人のお子さまがいるあるお母さんは、習い事、塾、幼稚園とそれぞれのお子さまのスケジュールをうまくマネジメントするために、『カレコ』を最大限に活用されています。車の利用開始から返却まで30分もかからないという使い方をされることも多く、送迎や日常のお買い物などで、1日で複数回利用されることもあるそうです。
お子さまが3人いらっしゃると、食料品や日用品のお買い物も量が多くて大変ですよね。以前は土日にレンタカーを借りて、家族でお出かけする際にお買い物をされていたとのことですが、現在は金曜日の夕方に『カレコ』を利用してまとめ買いをされているそうです。そのため、土日は家族でゆっくり過ごしたり、買い物のことを気にせずにお出かけを楽しんだりすることができるようになったとのことです。
(カレコ公式ブログ|会員インタビュー|平日に買い物を済ませれば、土日にゆとりが。3人の子育てママのカレコ活用法:会員インタビューvol.27より)
お母さんが子どもを迎えに行くために車に乗って、同時にお父さんは違う車を使用する、という使い方も可能ですし、平日はコンパクトカーで休日に家族でお出かけするときにはSUV、など乗り分けをされている方もいらっしゃいます。
また、子どもが成長するにしたがって、ライフスタイルも大きく変化していきますよね。車が必要な時期・必要ではない時期、大きな車が必要な時期・小さい車でいい時期、と変化していくと思うんですけど、それに合わせて車を乗り換えられるというのも、カーシェアリングの特徴だと思います。
ママに嬉しい駐車場予約サービス
ーー自分に合った使い方ができるプラン設定や、手続きがスムーズであることはもちろん、カレコを運営する三井不動産リアルティならではのさまざまなサービスも魅力的です。とくに駐車場予約サービス「toppi!(トッピ)」は便利ですね。
松山さん:
toppi!は2016年の11月にスタートしました。車のサービスって、一般的に男性の利用者が多いのですが、このtoppi!に関しては女性も多いのが特徴です。
その理由をうかがうと「行った先で駐車場を探して、そのまま細い道に入っちゃって迷ってしまうのが心配」とおっしゃっていました。また、とくに都内などは駐車場を見つけても満車で、また探して……と駐車場探しに時間を費やすことが多い印象です。
ーーわかります! 一方通行とかがあるともうグルグルグルグル……。
松山さん:
女性は苦手な方が多いですよね(笑)。働きながら子育てをされているお母さんにも人気のサービスです。車で保育園の送り迎えされている方が、「朝の時間は一秒が大切だから!」とおっしゃっていました。また、事前精算ができる、というところもポイントですね。子育てに必要な「時短」要素が詰まっているサービスなのではないでしょうか。
■予約できる三井のリパーク「toppi!」について詳細はこちら
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ほかにも、初期費用が無料であることや、ガソリン代や保険料がプランに組み込まれていることなど、複雑な手続きは一切必要ありません。最初の一歩を踏み出しやすくする手厚いサービスが、カーシェアのハードルをぐんと下げてくれますね。
インタビューの後半では、車で出かけることによる家族時間の変化や、カーシェアでは珍しいキャンピングカー貸出サービスについて、そして車で行きたいおすすめスポットもご紹介します!