あたまを使う/国語 2018.6.19

楽しく勉強しながら「国語力」と「語彙力」を伸ばす! 子どもに挑戦させたい資格・検定【国語編】

鈴木秀明
楽しく勉強しながら「国語力」と「語彙力」を伸ばす! 子どもに挑戦させたい資格・検定【国語編】

本連載の第2回『我が子の “やる気” を引き出せる! 子どもの教育に役立つ「心理学系」の資格・検定を4つまとめてみた。』と第3回『最新の教育情報と学びのヒントが手に入る! “子どものために” 勉強したい、4つの資格・検定たち』では「子どもの教育に役立つ(親御さん向けの)資格・検定」をご紹介してきました。今回からは「子どもに挑戦させたい資格・検定」について取り上げていきます。

ただ何かを勉強するだけでなく「資格・検定試験にチャレンジする」。イベント・ゲーム的要素が子どもの意欲を刺激するとともに、合格証という「称号」を得ることが勉強のモチベーションにもなります。また、普段の学校の勉強や習い事とはちょっと離れた場でのチャレンジ体験が、子どもにとっての特別な経験ややりがいにもつながっていくことでしょう。

今回から、各回ごとにいろいろなジャンルの「子どもに挑戦させたい資格・検定」をご紹介していきますので、ぜひお子様の学びの促進のために活用してみてくださいね。今回のテーマは「国語」ジャンルの検定です。

日本漢字能力検定(漢字検定)

昨今、クイズ番組などの影響で知名度がずいぶん高まってきている「漢字検定」。英語検定と並んで、小中学校でも当たり前に受験が推奨される検定にもなってきているので、あえてここでご紹介するまでもないかもしれませんが、やはり国語分野の検定の代表例としてこれは外せませんね。

漢字の勉強というのは難しい理屈や才能が必要なわけでもなく、一字一字、一歩ずつ確実に学びを進めていくことができるので、どんな子どもでも着実に取り組んでいけるものです。努力が結果に結びつくことを実感でき、自信にもつながっていくことでしょう。逆に言うと、漢字の勉強に近道はありませんので、ものごとを一歩ずつコツコツ進めていく力の醸成にもなるはずです。

私も実は高校時代になぜか漢字検定にハマったのが、資格・検定の道に入り込むひとつのきっかけでした。当時はまさに、学校の勉強とはまた違ったイベント的要素を楽しんでいた感じですが、このような体験から「検定・勉強って意外と楽しい!」と思ってくれる子どもがひとりでも多く増えてくれるといいなと思いますね。

日本漢字能力検定Webサイト

【受験資格】特に制限なし
【受験料】10級~8級:1,500円 7級~5級:2,000円 4級~準2級:2,500円 2級:3,500円 準1級:4,500円 1級:5,000円
【試験地】全国
【試験日程】6月・10月・2月 ※CBT試験は随時受験可能
【申込期間】試験日の3ヶ月~1ヶ月前頃
【公式サイト】http://www.kanken.or.jp/

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ことわざ検定

こちらは実際に小学生くらいの子どもの受験者が非常に多い検定です。私も1級まで合格済なのですが、7~8級くらいの級を受験する子どもたちと同じ教室での受験となったりすることもあり、なんだかとても微笑ましい気持ちになります(笑)。

試験内容としては、さまざまなことわざの漢字読み書きや穴埋め問題などに加えて、ことわざを使って実際に文章を作る問題や、オリジナルのことわざを自分で作る「創作ことわざ」の問題もあります。

ことわざという親しみやすいことばを通じて、単なる暗記だけではない、表現力や創作力を伸ばすことができます。先人の知恵や経験の結晶であることわざから、さまざまな考え方や教訓を学ぶことができるのも有益ですね。

また、この検定で非常に特徴的なのは、進研ゼミの「赤ペン先生」のように、添削が入った自分の答案が試験結果と一緒に送られてくること! ただ点数や合否だけが通知されてくる一般的な検定試験とは違った細やかな対応が嬉しいです。

ことわざ検定Webサイト

【受験資格】特に制限なし
【受験料】10級:2,500円 9級・8級:2,800円 7級・6級:3,400円 5級・4級:3,800円 3級:4,800円 2級:5,700円 1級:8,500円
【試験地】東京・大阪・愛知・兵庫・福岡 ※2018年現在
【試験日程】7月・11月・3月
【申込期間】試験日の2ヶ月半~1ヶ月半前頃
【公式サイト】http://kotowaza-kentei.jp/

日本語検定

各種メディアで「語彙力」「日本語の正しい使い方」といった話題が最近ちょっとしたブームですが、大人になっても敬語を正しく使えなかったり、言葉遣いや漢字を間違えて使っていたり、幼稚な文章しか書けなかったりというのはやっぱり恥ずかしいです。正しい日本語・わかりやすい日本語・美しい日本語を使える力を身につけるためには、子どもの頃から意識的に多様な日本語にふれる経験をしておきたいものです。

「日本語検定」は、「漢字・表記・敬語・言葉の意味・語彙・文法」の6領域を中心に、読解力・表現力など総合的な日本語力をはかる試験です。受験級も小学校低学年向けの7級から社会人向けの1級まで幅広く設けられていますので、親御さんも一緒にぜひ家族みんなで勉強・受験されてみてはいかがでしょうか。「普段何気なく使っていた言葉、実は変な使い方をしてた!」「なるほどこういう言葉遣いができればかっこいいな」といった気付き・新発見もきっと数多くあるはずですよ。

全受験者の約4分の1を小中学生が占めており、中学・高校・大学などの入試で優遇措置が設けられている学校も多数あります。

日本語検定Webサイト

【受験資格】特に制限なし
【受験料】7級:1,400円 6級・5級:1,500円 4級:2,000円 3級:3,500円 2級:5,000円 1級:6,000円
【試験地】全国
【試験日程】6月・11月
【申込期間】試験日の1ヶ月前頃まで
【公式サイト】http://www.nihongokentei.jp/

日本文学検定

「源氏物語」「古今和歌集」などの古典文学や、夏目漱石や太宰治などに代表される近現代の文学作品。学生時代に国語や歴史の勉強で作品名・作者名だけは覚えたけれど、実際に読んだことがあるものってほとんどないなぁ……という方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、子どもにはいろんな文学作品にもふれてもらいたいなぁ~という方も多いのでは。そこでオススメなのがこの「日本文学検定」。日本文学にまつわる基本的な知識のほか、古典作品に出てくる意外なオモシロ話や、文豪たちのユニークなエピソードなどの雑学的な内容も幅広く学べますので、「ちょっと固そう」と思われがちな日本文学に親しみを持てるようになりますよ。

文学好きなら……もっと日本文学を楽しめるようになる! あまり読んだことのない人でも……日本文学をいろいろ読んでみたくなる! そんな検定です。

残念ながら今年2018年の実施予定はなく、次回試験は2019年になるようですが、公式問題集を読んでみるだけでも非常に興味深い日本文学ワールドに引き込まれること請け合いですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

日本文学検定Webサイト

【受験資格】特に制限なし
【受験料】3級(古典)・3級(近現代):4,900円 2級(古典)・2級(近現代):6,400円 ※学割あり
【試験地】東京・大阪
【試験日程】8月
【申込期間】試験日の1ヶ月前頃まで
【公式サイト】http://www.nichibunken.com/