「音楽」は、私たちのまわりにあふれています。テレビをつければミュージシャンが出演する音楽番組が放映されていますし、街なかや飲食店などでも、ジャズやクラシックをはじめさまざまな音楽が流れています。音楽を耳にしない日はありませんよね。
そしてご自身のお子さまが、こういった音楽をただ “聴く” だけではなく “自ら演奏して楽しめる” 子どもに育ってくれたら、とてもすてきだと思いませんか?
今回は、楽器の習い事にはどのようなものがあるのかについてまとめてみました。
ピアノ
音楽や楽器に関する習い事として、多くの人がまっさきに思い浮かべるのが、このピアノではないでしょうか。「小さいころに私も習っていた経験がある!」なんて親御さんも非常に多いはず。リクルート社が実施したアンケートでも、いま子どもに習わせている習い事として「水泳」「英語・英会話」に次ぐ第3位にランクインしています。昔から変わらない、まさに習い事の王道といっても過言ではないでしょう。
ピアノは、両手を使って弾く楽器です。それも、左右それぞれの手でまったく別々の動きをしなければいけません。加えて、作曲者の指示通りに正しく演奏するためには、楽譜もしっかりと読みこむ必要があります。非常に高度な頭の使い方や巧緻性が要求される楽器といえるでしょう。東大家庭教師友の会による調査では、東大生のおよそ2人に1人が幼少期にピアノを習っていたという統計が出ているのだとか。
小学校や中学校では必ず音楽の授業がありますから、「ドレミがわかる」「楽譜が読める」は大きなアドバンテージになります。クラス合唱などピアノ伴奏者が必要になったときに自ら手を挙げることもできますから、ピアノを弾ければ学校生活での活躍の幅も広がりますね。音楽の基礎力をつけられるという意味でも、ピアノは最も手近な楽器でしょう。
エレクトーン
鍵盤楽器という点ではピアノと同じですが、「ボタンを切り替えることでさまざまな楽器の音色を出せる」「鍵盤が2段になっている」「足元にも鍵盤がある」などなど、異なる点もさまざま。また、弦をハンマーで叩いて音を出すわけではないため(※あくまで電子的に音を出します)、打鍵感もピアノに比べて軽いという特徴があります。当然、手の形や指の使い方もピアノと若干異なってきます。
ただ、両方の手指を使う点はピアノと変わらないため、巧緻性を育む効果は同様に期待できるでしょう。加えてボタンを操作して音を変えたり足元の鍵盤でも演奏したりと、要求される動作がピアノに比べて少し増えるので、文字通り身体全部を使って表現する楽器といえるのではないでしょうか。
いろいろな音色を出せたり、特にレッスンではいま流行している曲も演奏できたりしますから、単調な練習曲やなじみづらいクラシック曲を弾かされることが多いピアノに比べれば、子どもにとっては入りこみやすいかもしれませんね。
バイオリン
ピアノやエレクトーンは、「ド」の鍵盤、「レ」の鍵盤、「ミ」の鍵盤など、それぞれの鍵盤ごとで出る音が決まっています。一方のバイオリンは、弦を指で押さえる位置を変えることで音の高さを変える楽器。「ド」の音を出したいのならば、「ド」の音が出る箇所を自分で探し出さなければいけません。ちょっと難しそうですよね。
幼少期の楽器演奏の経験が脳の発達をうながし運動スキルを向上させることは研究論文として発表されていますが、バイオリンも例外にあらず。弓を正しい位置で正しい角度で動かし、弦を複雑に操って演奏することが求められますから、脳の活性化にひと役買ってくれますよ。
ただし、バイオリンは身体の大きさに合わせて買い替えていかなければいけない楽器です。成長著しいのが子どもですから、将来の経済的負担はある程度頭に入れておく必要があるでしょう。
キッズドラム
「ドラム」と聞くと、ロックバンドのドラマーが頭を激しく振りながら叩き鳴らすような縁遠い楽器だとイメージされる方もいるかと思います。でも、子どもたちの習い事として「キッズドラム」というものがあることはご存じですか? 音楽教室を全国展開しているヤマハや島村楽器でも、今やキッズドラム教室が開講されているくらいです。
子どもの身体に合ったミニドラムを使用し、8ビートや16ビートといった基本的なリズムパターンやスティックコントロールなどを学びます。音楽の基礎となるリズム感が養われるのはもちろん、キッズドラム教室は特にグループレッスンが多いため、一緒にドラムを演奏するほかの子どもたちとの協調性も鍛えられます。
和太鼓
子ども向けの和太鼓教室も、最近は注目されています。キッズドラムと同じく、“叩いて音を出す” 和太鼓。手指を複雑に動かす必要はなく、両手に持った2本のバチで太鼓を叩けば音を奏でられます。非常にシンプルであるため、まだ手先がそれほど器用ではない小さな子どもでも取り組みやすいという魅力があります。
それに、和太鼓は古来から受け継がれてきた “和の文化” に通ずる楽器。レッスンを通して礼儀作法が身につくというメリットも期待できますし、日本の伝統そのものにふれる体験ができるのも貴重ですね。
じっとしているのがちょっと苦手。身体を動かしたりスポーツに取り組んだりするのが大好きだ。そんなお子さまにおすすめの楽器といえるのではないでしょうか。
***
みなさんのお子さまが興味を持ってくれそうな楽器はどれでしょうか。何か楽器を習わせたいと感じているのならば、お子さまとも相談しながら、ぜひお近くの音楽教室に足を運んでみてくださいね。
(参考)
リクルート|『ケイコとマナブ』2016年 子どもの習い事ランキング(PDF)
東洋経済オンライン|東大生にピアノ経験者が圧倒的に多い理由
Christopher J. Steele ,at al, “Early Musical Training and White-Matter Plasticity in the
Corpus Callosum: Evidence for a Sensitive Period” , the Journal of Neuroscience, January 16, 2013, 33(3):1282–1290
consordini|How violin playing effects brain
ヤマハ音楽教室|ドラムコース