佼成出版社がとっておきの絵本を紹介する連載『佼成出版社 えほんのこころ』。今回は、気鋭の若手絵本作家、もとやすけいじさんの作品をご紹介します。
人気絵本作家の登竜門「あとさき塾」出身のもとやすさん。『つばめこうくう』でのデビュー以来、作品の売れ行きが好調で話題となっています。もとやすさんの絵本の特長は、見る人の目を強く引き付ける鮮やかな色遣いと、こだわり抜かれた細部の描写。子どもはもちろん、大人をもワクワクさせてくれます。
この先の活躍が楽しみな期待の絵本作家、もとやすけいじさん。その作品を2つご紹介しましょう。
こんな飛行機、乗ってみたい! 『つばめこうくう』
本日は「つばめこうくう」をご利用いただき、ありがとうございます。ただいまより、南の島ゆきの搭乗を開始致します――。
つばめの背中にのせた飛行機に、乗客が次々と乗りこんでいきます。さあ、準備ができたら、しゅっぱーつ! カエル親子は初めての空の旅。機内食や美しい夜景など、ワクワクでいっぱいです。カエル親子以外の乗客や空港のようすなど、詳細に描かれた絵は何度読んでも新しい発見があります。期待の新人、もとやすけいじのデビュー作。
あとさき塾出身のもとやすけいじさんのデビュー作になります。原画を拝見したとき、隅々まで丁寧に描き込まれた美しい絵に、ただただ感動しました。この絵本のメインキャラクターはカエルの親子なのですが、その他のキャラクターもそれぞれ空の旅を楽しんでいて、はじめからおわりまで、違うキャラクターを追いながら読んでも楽しいと思います。
制作当時、空港で仕事をしていたもとやすさんが描く空港のようすも必見ですよ。
この作品の制作中に、飛行場で荷物運びの仕事をしていたのですが、バックヤードで働く人たちの努力と、飛行機に乗るお客さんたちのワクワク感を肌で感じることができて、貴重な経験になりました。飛行機が飛び立つときは、空港のスタッフが飛行機に手を振り、見送ります。そんな場面も、絵本のなかで表現しています。
『つばめこうくう』公式PV
“冬ごもりラッシュ”に合わせてデビュー! 『ぽっぽこうくう』
好評をいただいた『つばめこうくう』に続く第2弾。
もうすぐ冬ごもりの季節です。カエル親子もおばあちゃんのうちで冬をすごす予定なのですが、乗るはずだった飛行機のハトが眠ってしまい、あやうく欠航に……?!
今作では、ぽっぽこうくうとともに、くものすくうこう第2ターミナル、ミノムシの形をしたミノレールがそれぞれニューオープンし、さらにスケールアップ。もちろん、個性豊かな虫たちもたくさん登場しますよ。
地面や床はもちろんのこと、空港内のようすや虫たちも、前作よりもさらに微細な描写になっていて、何度読んでも新しい発見があり、飽きません。
また、飛行機が飛んでいる風景もうっとりするほど美しく、絵本の中で存分に空の旅を楽しんでいただけます。
『ぽっぽこうくう』公式PV
『ぽっぽこうくう』原画展開催のお知らせ(東京・府中)
(画像提供:もとやすけいじさん/フェット2016『つばめこうくう』原画展の様子)
『ぽっぽこうくう』の原画展が、東京・府中市の「暮らしと表現の芸術祭 フェット 2018」内のイベントとして開催されます!
「フェット2018」は、府中近郊に住む、音楽・写真・絵・彫刻など多様なジャンルにおける芸術家が集まって、府中市全域でさまざまなイベントやワークショップを行なう、大型アートイベント。もとやすさんは、前回の「フェット2016」での『つばめこうくう』原画展に引き続き、今回は『ぽっぽこうくう』原画展で芸術祭を盛り上げます。
もとやすさんに直接会えるチャンスがあるほか、ペンやマスキングテープを使ったワークショップ「オリジナルひこうきをつくろう!」も開催される予定。ぜひ親子で足を運んでみてはいかがでしょうか。
開催時間:9:00~15:00(12/2、5 休み)
開催場所:大東京綜合卸売センター特別展示会場 府中卸売珈琲店(府中市矢崎町4-1)
アクセスはこちら
※12月2日(日)・5日(水)はお休みです
※12月8日(土)は、もとやすさん在廊! サイン会が開催されます。
※府中卸売珈琲店のコーヒーやランチなどをお召し上がりいただけます。
(参考)
TOHAN|部署を超えた取り組みで絵本を増売~新人作家のデビュー作「つばめこうくう」を応援~
Cocolotus|出会いを大切にしながら自分の信じた道を歩き続ける もとやす けいじさん(絵本作家)