「東大生にはリビング学習経験者が多い」と聞いたことはありますか? リビング学習とは、子供部屋でなく、リビングやダイニングで勉強することです。
2018年、整理収納アドバイザーの小島弘章氏が現役東大生に実施したアンケートでは、100人中76人がリビング学習していたそう。『AERA with Kids』(2017春号)に掲載された、小学生の母親300人を対象とした調査でも、78.3%もの子どもがリビング学習していました。
集中力が高まると人気のリビング学習ですが、賛否両論があります。筆者も大いに迷いました。Webサイトや書籍、先輩のママ友さんなどから情報を収集し、子どもの性格なども考慮しつつ、最終的にリビング学習に落ち着いた次第です。
今回は、お子さんにぴったりの勉強スタイルをお探しのお母さん・お父さんに、リビング学習のメリット&デメリット、学習机とダイニングテーブルのどちらを使うか、勉強道具の収納方法やレイアウトなどなど、リビング学習に役立つ情報をご紹介します。リビング学習をするかしないか、迷っている方はぜひお読みください。
リビング学習のメリット
まずは、リビング学習のメリットを解説します。
集中力がつく
小さい頃からリビング学習をしていると、話し声や料理の音などが聞こえる環境で勉強することに慣れていきます。その結果、ちょっとやそっとの雑音では乱れない集中力をつけられるのです。
安心して勉強できる
リビングは家族が集まる場所です。家族が近くにいることで、子どもは安心して勉強できます。
特に、小さい子どもは寂しがりやです。みなさんも、少しでも子どもをひとりにした途端に「ママ、見て!」「パパ、ちょっと来て!」と呼ばれた経験はありませんか?
小さな子どもは、ひとりの状況に不安を抱きやすいもの。子供部屋で勉強させようとしても、自分だけしかいない環境では落ち着けません。常に誰かが見守ってくれているリビングのほうが、安心して勉強に取り組めるのです。
勉強を続けやすい
おもちゃやゲーム、マンガなど、子供部屋には誘惑が多いものです。誰も見ていない状況で、遊びたい気持ちをこらえて勉強するのは、大人でも難しいですよね。
けれど、リビングで家族の視線を感じながらだと、簡単にはサボれません。勉強に励む姿を見られていると思うと、むしろ張りきるお子さんもいるかもしれませんね。
わからないことをすぐ親に聞ける
わからないことをすぐ親に聞けるのも、リビング学習のメリット。感じた疑問を受け止め、一緒に考えてくれる人が身近にいることは、子どもにとって非常に大事です。
わからないことを誰にも聞けなかったら、「わからないからいいや!」と、適当にこなすクセがついてしまうかもしれません。そうなれば、もちろん成績が下がり、成績が下がったために学習意欲も低くなる、悪循環に陥るでしょう。
反対に、わからないことが出てきて不安になっても、すぐ親に相談できたら、「そういうことか!」と理解が進み、自信をもって問題に向き合えます。「難しい問題が解けた!」という成功体験を繰り返し積めるので、学習意欲が高まるのです。
以上、リビング学習のメリットを解説しました。しかし、リビング学習は何歳までが適切なのでしょう。高学年になったら自室で勉強させたほうがいいのでしょうか?
教育者として知られる陰山英男氏によると、リビング学習は特に低学年におすすめとのこと。勉強の習慣がつきやすいからだそうです。しかし、家族とコミュニケーションをとりながら学びを深めるタイプであれば、小学生から高校生までリビング学習の効果があるでしょう。
とはいえ、リビング学習を好んでいた子も、いずれ、子供部屋で静かに勉強したがるかもしれません。また、年齢にかかわらず、気分や学習内容によって場所を変えたい場合もありますよね。つまり、いつまでリビング学習をさせるかは、年齢ではなく子どもの特性に合わせ、柔軟に判断するのがよいのではないでしょうか。
リビング学習のデメリット
続いて、リビング学習のデメリットも見てみましょう。
集中できない
リビングは家族がくつろぐ場所ですから、テレビが置かれていることが多いでしょう。家族がテレビを見たり、テレビゲームで遊んでいたりしたら、気になって勉強どころではなくなってしまう子もいます。
また、兄弟姉妹がいれば、リビングで大声を出したり走り回ったりすることでしょう。家庭環境や子どもの気質により、リビング勉強で集中できない可能性もあるのです。
やる気を失う
子どもの勉強中、ちらっとノートをのぞいたら偶然ミスを見つけ、「そこ、間違ってるよ!」などと声をかけてしまったことはありませんか? よかれと思っても、子どもにはミスを指摘する嫌な言葉にしか聞こえず、やる気がなえてしまいます。
親が否定的な言葉をかけてしまいがちな場合、リビング学習は、子どもの学習意欲を低下させてしまうかもしれません。「見守る」というより「監視」になってしまうのです。
リビングが散らかる
リビング勉強をさせると、勉強道具や消しゴムのカスで、リビングが散らかる恐れがあります。「片づけなさい!」と叱ったり叱られたりすることが続いては、親子ともにストレスがたまり、メリットよりデメリットのほうが大きくなるでしょう。
家族間のコミュニケーションがうまくいかなかったり、勉強道具の収納場所がなかったりすると、リビング勉強はデメリットをもたらします。逆に、家族の理解と手厚いサポートがあれば、子どもにとっても親にとっても、リビング学習のメリットは大きくなるのです。
リビング学習は机orテーブル?
リビング学習をやるにあたって悩むのが、学習机をリビングに置くか、ダイニングテーブルを使わせるか。それぞれのメリットとコツを解説します。
学習机を買う
まずは、既成の学習机を買い、リビングに置く場合です。
メリット
リビング学習机のメリットは、学習専用のスペースをいつでも確保できること。陰山氏によると、特に気の散りやすい子の場合、学習机があるほうがよいとのこと。勉強モードに入りやすく、集中が途切れにくいため、リビングに充分なスペースがあるなら学習机を置くのがベストだそうですよ。
また、一般的な学習机には、照明が備えつけられています。リビングやダイニングの天井照明だと手元が暗くなりがちなので、デスクライトを用意しなければなりませんが、学習机ならその必要がありません。
さらに、学習机には勉強道具をそのまま置いておけるので、食事のたびにテーブルの上を片づける必要もなし。ダイニングテーブルに消しゴムのカスが散るのが嫌な人は、専用の机を用意するといいでしょう。
コツ
リビング勉強用の机を選ぶにあたっては、いくつかコツがあります。まず、子どもが1人の場合は普通の学習机でOK。リビングと調和するデザインで、子どもが大人になっても使いたいと思える、シンプルで高品質なものを選びましょう。親が「自分用に欲しい」と思えるかどうかを目安にしてみては? また、子どもが2人ならツインデスクにしたり、3人なら壁際に長机を置いたりと、子どもが増えれば適切な机の種類も変わります。
大きさに関しては、奥行き60~65cmが理想的。教科書やノートだけでなく、参考書や辞書も同時に広げやすくなります。あまり大きいものを買えなくとも、小島氏によると、少なくとも45cmあれば大丈夫だそう。また、幅は100cm以上欲しいもの。小学生だと、親が隣に座って勉強を見る機会が多いためです。
学習机を選ぶにあたっては、「収納力」も重要。学年が上がるたびに勉強道具がどんどん増えていくのですから、必要に応じて収納を自由にカスタマイズできる商品だと安心です。
最後に、必ずこだわりたいのが安全性。鼻水や頭痛といった「シックハウス症候群」を引き起こす有害物質・ホルムアルデヒド対策が施されたものを選びましょう。ホルムアルデヒドの発散が最も少ない「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」表示のある製品がおすすめです。
おすすめの製品
以上のポイントに該当する製品としては、オリジナル家具ブランドを手がけるインテリアショップ「ACTUS(アクタス)」の「FOPPISH(フォピッシュ)」シリーズがおすすめ。「せっかくリビングに置くなら、使いやすくておしゃれな学習机を選びたい!」というお母さんやお父さんにぴったりの人気商品です。
「FOPPISH デスク」は、幅110cm×奥行き65.5cm×高さ72cm。ゆとりのあるサイズなので、中学生・高校生になっても広々と使えます。棚や引き出しは、必要に応じてパーツを取りつけ可能。デザインの調和を保ちつつ、自由にカスタマイズできる逸品です。デスクランプは左右に装着できます。
オークの無垢材を使用した、高級感のある材質。大人になっても愛用したくなる、ナチュラルなデザインです。また、ホルムアルデヒドの放散レベルが最も低い「F☆☆☆☆」認定製品なので、健康面でも安心できます。
最初はデスクだけ購入し、必要に応じてあとから引き出しや棚をつけ足すなど、子どもの成長に合わせてカスタマイズできるのが「FOPPISH」シリーズ。リビング学習を卒業し、子供部屋に学習机を移動したくなったら、分解・移動・再組み立てのサービスを利用できるので、力仕事が苦手な人でも大丈夫ですよ。
学習机をDIYする
次に、リビング学習用の机を親が自作する場合について説明します。
メリット
家の間取りやリビングの広さによっては、市販の学習机がうまく収まらない場合もありますよね。しかし、DIYなら、好きな大きさでつくることができます。将来、子どもが自分の部屋で勉強するようになったら、カフェテーブルなどに転用可能です。
また、DIYすれば、既成の机を買うより安くすみます。いきなり高い学習机を買うのが心配なら、DIYに挑戦してはいかがでしょう。
コツ
クギや電動ドライバーを使わなくても、いま話題の「カラーボックスデスク」なら簡単に自作できます。材料は以下の3種類です。
- カラーボックス2台
- 天板1枚
- 滑り止めシート4枚
市販の学習机を参考に、高さ70cmくらいのカラーボックスを選びましょう。大手インテリアショップ「ニトリ」には、ちょうどよいサイズのカラーボックスがあります。
天板の奥行きは、少なくとも40cm必要です。幅は、リビングの学習スペースに合わせて調節しましょう。しなったり割れたりしないよう、厚さは2cm以上にしてください。サイズを決めたら、ホームセンターでの購入時にカットしてもらいましょう。
滑り止めシートは、100円ショップで売っています。カラーボックスの上部・下部に敷けるくらいの大きさがあればOKです。
材料をそろえたら、机を組み立てましょう。やり方は以下のとおりです。
- カラーボックスの位置を決め、滑り止めシートを敷く
- 滑り止めシートの上にカラーボックスを置く
- カラーボックスの上部に滑り止めシートを敷く
- 天板を乗せる
きょうだいが多い場合は、天板の幅を広げ、支えのカラーボックスを増やすことで長机ができます。ただ、既製品を買うより安いとはいえ、手軽なぶん、耐久性には期待できないかもしれません。あくまで「お試し用」としてつくってみるといいでしょう。
学習机のレイアウト
学習机を買うにしてもDIYするにしても、勉強に集中しやすい環境をつくるには配置も重要です。マンションで制約の多い間取りだったり、狭いリビングだったりしても、できるだけ以下のポイントを押さえてレイアウトしてみてください。
- テレビが直接見えない位置
→集中力を乱さないため。できれば壁に向ける - 親は家事をしながら見守れるが、子どもは親が直接見えない位置
→子どもにプレッシャーを与えることなく見守るため - 部屋の出入口が見える位置
→誰が部屋を出入りしているか見えるほうが安心できるため - 勉強道具置き場に近い位置
→時間のロスを防ぐため
テーブルで学習する
新たに学習机を用意せず、リビングのローテーブルや台所のキッチンカウンターテーブル、食事に使うダイニングテーブルなど既存のテーブルでリビング学習をさせる場合、何に気をつければいいのでしょうか?
メリット
既存のテーブルを使用するメリットは、リビングに学習机を置くスペースがなくてもリビング学習できることです。コストを抑えられること、部屋に圧迫感が出ないことも、メリットとして数えられるでしょう。
コツ
テーブルでリビング学習させるときのポイントは、次のとおりです。
- 子どもに合った椅子を用意する
→学習に最適な姿勢を保つため。和室の座卓の場合は座椅子 - 足が床に着かない場合、足置きを用意する
→姿勢を安定させるため。特にカウンターテーブルの場合、カウンター下に置く - デスクライトを用意する
→手元を明るくするため。勉強時以外は移動できるよう、持ち運びできるタイプが理想 - 勉強道具の収納場所を用意する
→リビングが散らかるのを防ぐため - デスクマットを敷く
→消しカスを掃除する手間を省き、テーブルへのダメージを防ぐため - パーテーション(ついたて)を立てる
→家族との距離が近すぎたり、周囲が気になったりして集中できなくなるのを防ぐため
以上、勉強机の選び方とつくり方、テーブルで勉強する際のポイントを説明しました。リビング勉強を始める際は、上記のコツを意識してみてください。
リビング学習の家具・便利グッズ
リビング学習に最低限必要なものは机かテーブルですが、ほかにもあったほうがいい家具や、いろいろな便利グッズがあります。リビング学習をはかどらせるアイデアとして、アイテムをご紹介しましょう。
椅子
学習時の椅子は、ぜひともこだわりたいアイテムです。選ぶポイントは、子どもの成長に合わせて座面と足置きの位置を調節できること。背中を背もたれにつけられて、自然と集中できる姿勢になるイスが理想です。遊んでしまう子もいるため、回らないタイプのほうがよいかもしれません。
子供用にも大人用にも使える、おすすめの椅子をご紹介します。
アクタスの「F チェア オーク」は、座面の高さ・奥行き・足置きの位置を調整可能。キャスターつきで前後の移動がスムーズですが、腰かけると固定されます。軽い力で動かせるので、重いものを動かすのが苦手な子どもでも使いやすいでしょう。
同じくアクタスの「SARCLE チェア オーク」も、座面と足置きの高さを調整できます。キャスターではなく4本脚なので、学習机だけでなく、ダイニングテーブルにも合わせやすいデザインです。
低学年の子どもと一緒に、アクタスの店舗を訪れた経験をお話しします。子どもが上記の椅子に座ってみると、両方とも足置きがちょうどよい位置にあるため、腰がぴったり背もたれについて自然と理想的な前傾姿勢になっていました。子どもに感想を聞くと、どちらも座りやすかったと言っていましたが、キャスターつきの「F チェア オーク」のほうが楽に動かせたそうです。
筆者も試したところ、しっかりした造りで、大人でも座りやすいと感じました。親でも違和感なく使えるので、ダイニングテーブルにも馴染む「SARCLE チェア オーク」も、長い目で見ておすすめできます。アクタスの店員さんによると、配送の際、子どもに合わせて高さなどを調整してくれるそうですよ。
デスクライト
リビング学習には、デスクライトもあったほうがよいでしょう。リビング用の照明は、勉強に向いているとは言いがたいためです。
建築環境工学を専門とする東海大学工学部建築学科教授の岩田利枝氏によると、赤みの強い光には気持ちをゆったりさせる傾向が、青みの強い光には気持ちを集中させる傾向があるそう。そのため、くつろぎの場であるリビングやダイニングには、オレンジっぽい光が使われていることが多いですよね。しかし、感じ方に個人差があるとはいえ、勉強の際は集中力を高めてくれる青っぽい光のほうがよいのではないでしょうか。
そこで、太陽光に近い(青白い)一方、通常のLEDより目に優しい「昼白色」のデスクライトをおすすめします。子どもでも取りつけしやすいデザインなので、勉強したい場所に自分で持ち運びやすいでしょう。
アクタスの「KIDS LED デスクランプ Z-A18」は、丸みを帯びたデザインがリビング空間に馴染む、おしゃれな雰囲気のLEDライトです。グリーン・グレー・ピンク・ホワイトの4色があります。
同じくアクタスの「KIDS LED デスクランプ A14」は、場所をとらないすっきりしたデザイン。狭いスペースでも活用できる、便利なデスクライトです。同じく4種のカラーバリエーションから選べます。
収納
リビング学習で困るのが、文房具や教科書を収納したり、ランドセルを置いたりする場所。収納アイデアをご紹介するので、リビング学習に役立ててください。
文房具
文房具は、すぐ手の届く場所に置きたいもの。文具の種類ごとに分類できて、持ち運びに便利な収納ボックスがおすすめです。
無印良品の「ポリプロピレン収納キャリーボックス」なら、一般的な文房具が収納でき、持ち手がついているので便利ですよ。なかの仕切りは取り外すこともできます。
スペースを節約したいなら、コクヨの「ネオクリッツ」シリーズはいかがでしょう? ペンケースですが、ペンスタンドとして自立するので、狭いスペースに最適です。
教科書
ダイニングテーブルなど学習机以外で勉強するとき困るのが、教科書置き場。子ども4人を東京大学理科3類に合格させたことで知られる佐藤亮子氏も、リビング学習をさせていましたが、膨大な参考書類は教科別のボックスに分類し、本棚に収納していたそうです。著書『志望校は絶対に下げない! 受験で合格する方法100』(ポプラ社、2018年)の表紙に、その様子がうかがえます。
100円ショップのものでいいので、教科ごとに箱を買いましょう。背に「国語」「算数」などと書いておけば迷いません。教科書やノートだけでなく、プリントやテストもポイポイ放り込んで、簡単に保管できます。これらのボックスは、リビングに設置した本棚に並べておけば、リビング学習の際に困らないでしょう。
収納&移動が可能なキッチンワゴンも、リビング学習に重宝します。おすすめなのは、IKEAの「ロースコグ」。3段あるので、上段にランドセル、中段に文房具、下段に教科書を置くとよいでしょう。リビングで勉強する際は横に置いて使えますし、片づけるときは簡単に移動できます。
ハンギングラックも、ダイニングテーブルに引っ掛けられるので便利です。
複数の教科を勉強する予定のとき、取りかかっているものとは別の教科のテキストやノートを入れておけば、テーブルの上に余計なものを出さずにすみます。テーブルを広く使えるので、勉強しやすくなるでしょう。複数の子がリビング学習しているときなど、スペースが限られている場合に活用してみてください。
ランドセル・バッグ
ランドセルやバッグの収納術としておすすめなのは、専用の置き場をつくること。子どもがカバンを放置するクセのある場所に棚を用意してあげるとよいでしょう。我が家でも、子どもが就学したての頃、重いランドセルやバッグをよく玄関に置き去りにしていたので、玄関に収納ラックを置いたところ、自分で片づけるようになりました。
棚を選ぶポイントは、低学年の子でもランドセルを置きやすいよう、高さを低めにすること。キャスターつきのものなら、玄関からリビング、子供部屋まで運べて、さらに便利かもしれません。リビングが玄関から近ければ、リビングにランドセル置き場をつくってもいいでしょう。
おすすめのアイテムは、ニトリの「ランドセルラック(グロウMT)」です。小学1年生でも置きやすい、高さ73cm。棚の部分にボックスを入れ、帰宅後すぐ、子ども自身で学校のプリントをしまえるようにすると、楽ですよ。鍵盤ハーモニカや習字道具など、かさばる学用品も一緒に収納できる、おすすめのラックです。
デスクマット
リビング学習用のデスクマットも売られています。勉強道具セットを持ち運びやすかったり、消しゴムのカスが散らばるのを防げたりするのがメリットです。さまざまな名称のグッズが出ているので、紹介しましょう。
山善の「僕と私の学習室」は、子どもでも持ちやすい、しっかりした取っ手つきの「お片付けデスクマット」。勉強道具を乗せたまま持ち運びできます。パーテーション代わりにもなり、使い終わったらたたんでスキマに収納可能です。
蝶プラ工業の「リビングパレット」はプラスチック製なので、水洗いできます。トレイ左右のくぼみに指を引っ掛けて持ち運ぶタイプのため、小さい子は持ちにくいかもしれません。机や壁に立てかけて収納します。
コジットの「持ち運べるリビングテーブルマット」は、マット・ポケット・バインダーなどが一体化したもの。勉強道具を挟んだままカバンとして持ち運べる、多機能なテーブルマットです。
アスカの「どこでも学習台」は、リビングにぴったりのおしゃれなライティングボード。10度の傾斜がついているので、正しい姿勢で勉強しやすくなります。内部に勉強道具を収納でき、持ち手がついているので、持ち運びが簡単です。
パーテーション
リビング学習には、パーテーション(仕切り・ついたて)が有効な場合も。近くで家族がテレビを見たりゲームで遊んだりしている場合でも、囲いをつくれば気にならず、集中しやすい学習環境を創り出せます。
ソニックの「リビガク」シリーズ「集中できる勉強ブース 手元が暗くなりにくい」は、筆記用具やプリントを挟んだままたためます。閉じるとほぼフラットになり、場所をとりません。
ベルメゾンの「どこでも自習室」は、筆記用具用のボックス・ドリルなどが入るポケット・マグネットがついており、収納が多めです。文房具を挟んだまま閉じられ、持ち手がついているので、持ち運びにも便利。
ホワイトボード
勉強のスケジュール管理だけでなく、大事なプリントを貼っておくのにも使えるホワイトボード。リビング学習時は、子どもが勉強内容をホワイトボードに書くことで頭のなかを整理できます。親も、イラストや図を描きながら子どもにわかりやすく説明できますよ。
ホワイトボードは、リビングのスペースに合わせたサイズを選びましょう。マグネット対応で、ペンを置く場所があり、消しカスを受けてくれるトレイつきだと便利ですよ。おすすめのホワイドボードを3つピックアップしました。
マグエックスの「ホワイトボードMX」は、コストパフォーマンスに優れたスチール製。縦・横どちらの向きにも対応可能です。マーカーやマグネット・つり下げひも・トレイといった付属品が充実しており、買ってすぐに使えます。本格的なホワイトボードを購入する前のお試し用としても、おすすめですよ。
長く使えて、書きやすく消しやすいホワイトボードをお探しなら、コクヨのホーロー製がおすすめ。スチール製より重く、値段が高めですが、耐久性と使用感に優れています。壁掛け用でサイズも豊富なので、リビングのスペースに合わせて選択可能。トレイ・マグネット・マーカー・イレーザー・つり下げ金具がついているので、すぐに使えますよ。
リビングに馴染む、おしゃれなデザインをお探しの方におすすめなのが、オフィスコムの「スタッキングホワイトボード」。キャスターつきで移動が簡単。マグネット対応でトレイつき。マーカーやマグネットは別売りです。
以上、リビング学習に役立つ家具や便利グッズをご紹介しました。リビング学習をはかどらせるため、ぜひお試しください。
リビング学習に関する本
最後に、リビング学習についてもっとよくわかる本をご紹介します。
『子どもの頭が良くなるお片づけ 理想のリビングの作り方』
『子どもの頭が良くなるお片づけ 理想のリビングの作り方』は、リビング学習の実践にあたって参考になるノウハウが詰まった一冊。著者は、「収納王子コジマジック」としてメディアでも活躍している小島弘章氏です。「リビングが散らかる」などの問題は片づけで解決できるとして、具体的な方法を提示してくれます。
便利なお片づけグッズから、収納方法、リビング学習を実践しているご家庭の事例まで、写真つきで豊富に紹介されているのが本書のポイント。筆者としても、理想的な収納イメージを具体的に描け、とても参考になりました。これからリビング学習を始める人だけでなく、リビング学習で部屋が散らかり困っている人にもおすすめの一冊です。
『東大脳の育て方』
わが子の幸せのため、できるだけよい学習環境を与えて勉強をサポートしたいと願う方におすすめしたい『東大脳の育て方』。東大生やその親たちへのリサーチと、脳医学者・瀧靖之氏の解説から、「勉強のできる人」がどんな子ども時代を過ごし、親がどのように働きかけていたかがわかります。
瀧氏の分析によると、勉強が生活の一部として溶け込んでいる環境が大事なのだそう。リビング学習は、好奇心を伸ばすのに必須の「親サポート」を受けやすい状態のため、楽しみながら勉強に取り組める習慣が身につくとのことです。実際にリビング学習していた東大生の話も載っているので、参考にしてはいかがでしょう?
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リビング学習は、子どもにとってメリットの大きい学習スタイルです。積極的に子どもの勉強をサポートしたい親にとっても最適だと言えるのではないでしょうか。
瀧氏も、「好奇心がしっかりと伸びたのが『東大脳』であり、好奇心を伸ばすには親のサポートが必須」だと述べています。みなさんも、ぜひご家庭のリビング学習に、本記事でご紹介したテクニックや家具を取り入れてみてくださいね。
文/上川万葉
(参考)
主婦の友社知育・教育取材班 編, 瀧靖之 監(2017),『東大脳の育て方』, 主婦の友社.
小島弘章(2019),『子どもの頭が良くなるお片づけ 理想のリビングの作り方』, KKベストセラーズ.
佐藤亮子(2020),『決定版・受験は母親が9割 佐藤ママ流の新入試対策』, 朝日新聞出版.
「新学期をスタートダッシュ! 自分から勉強する気になる学習環境の作り方」, AERA with Kids, 2017春号, pp.12-36.
「ストレスフリーのリビング学習 -片付く! 集中力もつく! -」, AERA with Kids, 2018春号, pp.10-55.
主婦の友社 編(2017),『頭のいい子に育つ!リビング学習&子どものモノ収納術』, 主婦の友社.
BEST TiMES|東大生はリビング学習をしているって本当?
ベネッセ 教育情報サイト|リビング学習の長所と短所【教えて!親野先生】
AERA dot.|子ども部屋が散らかって勉強しない “元凶”は学習机だった?!
国土交通省|快適で健康的な住宅で暮らすために
高校生新聞オンライン|成績アップの近道? 勉強がはかどる「照明」について、大学教授に聞きました!
日経DUAL|子どものリビング学習に最適なLED電球があった