グローバル化が進む社会で、英語を身近に感じてほしい、英語が話せるようになってほしいと考える保護者の方は多いのではないでしょうか。2020年には東京オリンピックも開催されることから、英語の必要性はますます広がっていくはずです。
とはいえ、英語の「お勉強」を無理やりさせては、子どもも親もいやになってしまいますよね。そこで今回は、「英語」×「お料理」をどちらも楽しく教えてくれるお料理教室『RK Kitchen』を取材してきました。なんとレッスンはすべて英語で行われるのだそうです。どんなレッスンなのでしょう?
1回参加するとリピーターになってしまう、英語×お料理レッスン
教えてくれるのは、管理栄養士でありオーストラリア・シドニーの5つ星ホテルでの勤務経験もあるRYOKO先生です。最初は日本語で教えるふつうのお料理教室だった『RK Kitchen』でしたが、「キッチンで使える英語から覚えてもらって、日々の生活でも使ってもらえたら」という願いから、英語で教えるお料理教室に変更したそうです。そんなRYOKO先生の教室は、陽の光が窓からたっぷりと入ってとても明るい雰囲気。
子どもたちが教室のインターホンを鳴らすたび、「Hello! I’m coming!(こんにちは!今行くよ!)」と笑顔でRYOKO先生がこたえます。挨拶はもちろん「How are you?(元気?)」。今日のクラスは何度もレッスンに通っている生徒さんとのことなので、「I’m good.(元気だよ)」と慣れた様子でお返事をしていました。日本語を英語に訳している、というより、ごく自然に口から英語が出ているといった感じです。
本日のメニューは「シフォンケーキ」。大人でも作るのは難しいとされる、卵白の力だけで生地をふくらませるフワフワのケーキです。
エプロンをつけて、手を洗ったら、まずは今日のメンバーの自己紹介から。「I’m Ryoko. What’s your name?(私の名前はRyokoだよ。君の名は?)」。
そしていよいよ、「Let’s bake a cake!(さぁ、ケーキを作ろう!)」。まずは、RYOKO先生が材料と作り方を英語で説明します。子どもたちは、ふむふむと、準備してある小麦粉や卵、砂糖などを目で確認。先生がどんなことを説明しているのか、きちんと理解しているのですね。
そしてわからないことはそのつど質問です。「Forty ってなに?」と、質問は日本語ですが、「Four zero」先生は英語で答えます。また、キッチンスケールの数字「40」を指さしながら教えてくれるので、子どもたちはすぐに理解することができます。このように経験で覚えた単語はきっと忘れないことでしょう。
ハンドミキサーを使い卵白を泡立て、砂糖を加えてさらに泡立てます。そして、卵黄や小麦粉などを混ぜながら生地が完成! 型に流し込んだらオーブンへ。会話はすべて英語なのに、なんともテキパキと作業を進める子どもたち。あっという間に生地ができあがってしまいました。
ケーキが焼きあがるまで、本格的な英語レッスン30分!
ケーキが焼きあがるまでの30分は、(先生があらかじめ焼いておいた)シフォンケーキの試食とテキストや絵本を使っての英語レッスンを行います。
「Do you want to eat?(食べたい?)」、「Yes, I do!(食べたい!)」。先生の問いかけに、今日一番の大きな声で答えます。さて、フワフワのシフォンケーキのお味は……?「Yummy!(おいしい!)」、あまりの美味しさに、みんなパクパクと夢中でケーキを食べています。
全員が食べ終えたら、次はテキストや絵本を使ったお勉強タイムです。なんと、ランチョンマットがそのままテキストに。これを使って、「I am hungry.」「Cool.」「See you soon.」など、たくさんの表現を学びます。お友だちとペアになり、ゲームのように質問と答えをくり返していました。「Do you like~?」の問いに「So-so.」なんて答えている子もいましたよ、かっこいいですね。
そして次は、海外でも使われている教科書を使ったレッスンです。この日は数と形と色のお勉強。「What color is this?(これはなに色?)」、「What shape is this?(これはなんの形?)」といった先生の問いかけに、「blue(青)」、「star(星)」など、しっかり答える子どもたちでした。
驚いたのはその発音です。「five(5)」や「three(3)」など、大人には難しいと感じる発音なのに、みんなきれいに発音しているんですね。
まだまだ英語レッスンは続きます。今度は絵本を読みますよ。CDを使って、目と耳から英語を覚えるのですね。子どもたちは、食い入るように絵本を見つめながら、CDプレイヤーからの英語を聞いています。1語たりとも聞き逃すまい、と集中していましたよ。
英語もお料理もどちらも大好きになる
ピーピーピー。ここでオーブンが鳴りました。英語のレッスンが終わってしまい、少し残念そうな子どもたちです。しかし、生地を落ち着かせるため、焼きあがったケーキを逆さまにしてしばらく置くので、もう少しお勉強ができるとのこと。
先生がもう1冊絵本を手に取ると、「やったー!」という声が聞こえました。しかもみんなが大好きな仕掛け絵本なんですって。「Open!(開けるよ!)」と、仕掛けを開くたびに大盛り上がり。おいしそうな紅茶やパイなどの“当たり”もあるのですが、蛙と卵、蜘蛛と蛇など、けっこうシュールな絵が描いてあり、ハズレた方がなんだか楽しそうでした。
まだまだ名残惜しそうにしながらも、ここでレッスンは終了です。参加した子のほとんどがリピーターになるという、RYOKO先生の英語×お料理レッスン。今回参加した生徒さんも、「英語もお料理もどっちも好きです」と話していました。小学3年生の女の子は、なんと今回で5回目の参加。将来の夢は「パティシエ」ですって。きっと得意の英語もいかして、海外で活躍するパティシエになったりするのでしょうね。
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今回参加していた生徒さんのお母さまは、「ふとしたときに家でも英語を話しています。その発音のよさには、主人も驚いていますよ。お手伝いもしてくれるようになって私も嬉しいです」と話してくれました。英語は「難しい」じゃなくて「楽しい」、子どもたちにはそんなふうに感じてほしいですよね。