教育を考える/体験/食育 2018.10.9

【教えてカルビー!】じゃがいもはナスの仲間!? 収穫の秋、親子で一緒に身近な野菜について学ぼう

編集部
【教えてカルビー!】じゃがいもはナスの仲間!? 収穫の秋、親子で一緒に身近な野菜について学ぼう

カレー、肉じゃが、コロッケ、シチュー……子どもたちが大好きな料理に欠かせない野菜といえば、そう “じゃがいも”! おいしくて栄養満点、そして一年中スーパーに並んでいる手軽さから、もっとも身近な野菜であると言っても過言ではありません。

でもみなさん、じゃがいもには意外な秘密が隠されていることをご存知ですか? そして、栽培から収穫までの道のりは決して簡単ではないこと、多くの人の苦労や努力のおかげで私たちの食卓に並んでいること、このコラムを読んでぜひお子さんにも伝えてあげてください。きっと、もっともっとじゃがいもが好きになるはずです。

今回、どこよりもじゃがいもに詳しい会社・カルビー(株)にご協力いただき、「じゃがいもの不思議」と「じゃがいも栽培の注意点」を学びます。

親子で新発見!~じゃがいもトリビア~

私たちにとって、もっとも身近な野菜「じゃがいも」。でも、知っているようで案外知らないことも多いんです。ここではカルビー(株)監修のもと、“じゃがいもトリビア” をみなさんにこっそりお教えします。大人も子どもも、きっと「へえ~~~」と驚くはずですよ。

■その1:じゃがいもは根菜じゃない!?

みなさん、じゃがいもって根菜類だと思い込んでいませんか?
でも本当は違うんです!

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(カルビー(株)公式サイトより)

この図にあるように、みなさんが普段食べているじゃがいもは「」が膨らんでできている部分です。この部分は「塊茎(かいけい)」といいます。つまり、私たちはじゃがいもの「根」ではなく「茎」の部分を食べているんですね。

では私たちがいつも食べている部分が「茎」であるなら、「」はいったいどこにあるのでしょう?

なんと、下の写真に写っているのがじゃがいもの「」です。

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(カルビー(株)公式サイトより)

一瞬、まだ青いミニトマトかな? と思いますよね。じゃがいもは品種によっては花の後に実がなるので、写真をよく見ると花殻(はながら)がついているのがわかるはずです。ただし「実」といっても食べられないのでご注意を!

■その2:じゃがいもはナス科の植物!

じゃがいもの仲間はなんでしょう?
お子さんにクイズを出したら、きっとこんな答えが返ってくるのではないでしょうか?
「さつまいも!」「さといも!」
残念! 不正解です。正解は……
トマト」「ピーマン」「ナス
じゃがいもは、これらの野菜と同じ「ナス科」の植物なのです。
その証拠に、それぞれの花を観察してみると花びらやガクの部分がとてもよく似ています。

この知識、さっそくお子さんに教えてあげましょう。「すごい!」と尊敬されるはずですよ。

■その3:じゃがいもの「目」の秘密

じゃがいもを調理するとき、くり抜くのは「」でしょうか? 下の図のように、このくぼみの部分は「」ではなく「」です。

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(カルビー(株)公式サイトより)

この「」の驚くべき秘密をお教えします。
バラバラに散らばっているかのように見える「目」ですが、よくよく観察してみると片側に集まっていることがわかります。さらにその「目」の並び方には規則性があるらしいのです。

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(カルビー(株)公式サイトより)

「目」が密集している箇所を中心として、その周辺を取り囲むように「目」が点在しているのがわかりますね。中央から近い順に1、2、3、4、5と番号をつけて、1から2、2から3、と番号順に角度を測ります。すると、約137度の角度で並んでいることが判明したのです。

しかしそれはただの偶然ではありません。下の図をご覧ください。

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(カルビー(株)公式サイトより)

すべての葉が効率よく日光を浴びるためにベストな角度が137度であることがわかりますね。上の葉に重ならないように少しずつズレながら、太陽から栄養をたっぷりともらって、美味しいじゃがいもが育つというわけです。

普段調理するときには「面倒だな」なんて思いながらくり抜いていた「目」も、自然の神秘や植物の生き抜く知恵を感じながら見てみると、じゃがいものたくましい生命力が伝わってくるのではないでしょううか。

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ひと手間かけてから土に埋める意味

じゃがいもは家庭で栽培できるというお手軽な印象がありますが、いざ植え付けから始めると案外手間がかかるものです。ここでは、その方法と注意点をお教えします。

家庭で栽培をするにあたって、ホームセンターなどで種いもを購入します。この種いも、スーパーで売られているじゃがいもと同じなのでしょうか? いえ、農林水産省の検査機関の検査に合格し、品質が保証されているものこそが「種いも」なのです。

植え付け予定の1ヶ月ほどから「芽出し(浴光育芽)」をします。これは、種いもを太陽光に当てて芽を出すという作業。半月〜1ヶ月ほど続けていると、緑や赤、紫色の硬い芽が出てきます。それにより発芽がそろい、その後の生育がよくなるというわけです。

植え付け前にもうひと手間。小さいサイズの種いもはそのまま植え付けられますが、50g以上の大きな種いもは、ほどよい大きさに切り分けます。芽が出ている場所を残して切るのですが、その切り口から腐るのを防がなくてはなりません。切り口に「草木灰」や「ハイフレッシュ(ケイ酸塩白土の粉末タイプ)」などをつけて、直射日光で一日天日干しして乾かして、いよいよ植え付けできる状態になるのです。

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(カルビー(株)公式サイトより)

種いもを植え付ける前の段階でも、思った以上に手間がかかるものなのですね。でもこの手間があってこそ、「自分たちが育てるじゃがいも」に対してより一層の愛情がわくと思いませんか? まるでわが子のように丁寧にケアしたじゃがいもを土に埋めることで、その後の工程もきっと責任を持って携わることができるはずです。

さあ、いよいよ植え付けです。水はけの良い場所を選び、深さ10cm幅60~70cmほどの植え溝を掘ります。土を5cmほど上にかぶせることを考慮して、深く植え付けすぎないように気をつけましょう。しっかりと水をやり、太陽の光に当てて、あとは芽が伸びるのを待ちます。

土の中ですくすく育つじゃがいもをお世話する喜び

次に、じゃがいも栽培の流れと注意点をご説明します。
まず芽が5cmほど伸びたら、硬くて状態が良い芽を数本残して他の芽を引き抜きます。これを「芽かき」といいます。その後も土寄せ害虫対策、雑草が生えてきたら適宜抜くなど、じゃがいもを立派に育てるために細やかなケアをする必要があります。

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(カルビー(株)公式サイトより)

草丈が30cmほど伸びたら、2回目の土寄せ追肥をします。もし大きくなりすぎて土からじゃがいもが出てきてしまったら、土寄せをしてしっかりと埋めてあげましょう。じゃがいもは直接太陽光に当たると、有害物質である「ソラニン」の含有量が増えてしまいます。食中毒を引き起こす危険があるので、緑色になったじゃがいもは絶対に食べないように!

その後かわいい花を咲かせ、先ほどトリビアでご説明したようにミニトマトに似た「実」がなります。じゃがいもの成長に必要な栄養分が実に取られないためにも、花はできるだけ取り除いたほうがいいでしょう

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(カルビー(株)公式サイトより)

ついに待ちに待った収穫の時期がやってきます。一般的に、春に植えたじゃがいもは6月中旬から収穫できますが、品種や天候によって時期は変動します。収穫の目安としては、「葉が黄色くなり茎が枯れてきたころ」と覚えておきましょう。

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(カルビー(株)公式サイトより)

■収穫の注意点

  • 雨天や雨上がりに収穫すると腐りやすいので、晴天が続き土が乾いているタイミングで収穫する
  • 掘ったじゃがいもは長時間日に当てるとソラニンの含有量が増えるため、風通しの良い日陰に置いておく

 
子どもが自分の手で育て、掘り起こしたじゃがいもは、何倍もおいしく感じられそうですね。じゃがいもを立派に成長させるために知恵や工夫が必要なこと、自然の環境に寄り添う心不測の事態にも対応できる力、この経験をとおして子どもたちが学ぶことは、大人になってからもきっと役に立つはずです。

***
じゃがいもという身近な野菜だからこそ、「どうやって育つんだろう?」「上手に育てるにはどうしたらいいんだろう?」と疑問を持つきっかけにもなるのではないでしょうか。そこから他の野菜、植物、また生き物について深く学びたいという探究心につながっていくことも期待できますね。

(参考)
Calbee|じゃがいもDiary
Calbee|畑に恋をする じゃがいも同盟
農林水産省|じゃがいもについて
サカタのタネ|初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ