教育を考える 2018.4.22

学力低下を招く「睡眠不足」を改善しよう! 子どもがスッキリ起きられるポイント7つ

編集部
学力低下を招く「睡眠不足」を改善しよう! 子どもがスッキリ起きられるポイント7つ

「朝、子どもがなかなか起きてくれなくて困っている」という親御さんのお悩みは少なくないと思います。

なにかと気忙しい朝の時間、あと15分でも早く起きてくれたら「早く〇〇しなさい!」と言わなくてすむのに……と考えてしまいますよね。それに、睡眠不足から子どもが情緒不安定になったり、イライラしたりすることもあるようです

今回は、睡眠不足のデメリットと、気持ちのいい朝を迎えるための7つのポイントをご紹介します。

「2時間の睡眠不足」はほろ酔いと同じ状態!?

朝スッキリと起きられない原因のひとつは、睡眠不足でしょう。睡眠不足が及ぼす影響を、大手寝具メーカーである昭和西川株式会社・常務取締役の西川ユカコさんは以下のように話しています。

寝不足だと大脳の前頭連合野が打撃を受け、勉強する意欲や集中力が薄れ、論理的な思考もしにくくなるほか、記憶にも障害が出てきます。たとえば10時間の睡眠が必要な子どもが8時間しか眠らなかった場合、足りない睡眠時間は2時間です。「2時間の睡眠不足」は、お酒を飲んでほろ酔いの時と同じくらいの脳の働き(働かなさ)になるといわれています。

(引用:東洋経済ONLINE|「成績のよい子」は、だいたい何時に寝るのか

このように、睡眠不足は学力の低下につながってしまうほどの深刻な問題なのです

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気持ちのいい朝を迎えるためのポイント7つ

それでは、子どもが良質な睡眠をとることができ、毎日気持ちのいい朝を迎えるためにはどんなことに気をつけたらよいのでしょう。それには、家族で協力して生活リズムをしっかり整えることが重要となってきます。

朝起きてから、夜寝るまでの「7つのポイント」をご紹介しますね。

ポイント1 寝る時間・起きる時間を親子で決める

夜更かししていては、早く起きることはできません。人には、睡眠のリズムがあります。レム睡眠といわれる浅い眠りと、ノンレム睡眠といわれる深い眠りがあり、90分で1サイクルだと言われています。そのため、90分単位で眠りをとるとよいのです。

例えばですが、朝7時に起きたい場合は何時に布団に入ればいいのでしょうか。寝かしつけるのに(寝付くまでに)30分かかると仮定します。3歳から5歳の子どもの必要な睡眠時間は10~13時間なので、90分サイクルを当てはめて10時間半睡眠をとると考えると、20時には布団にはいる計算になります

同じように、6歳から13歳の子どもの必要な睡眠時間は9~11時間なので、短くても9時間は寝るようにしなければいけませんね。そうすると、7時に起きるためには21時半には布団にはいる計算になります

睡眠が足りないと、肥満になりやすかったり、成績が悪化したり、イライラしやすくなったり、免疫力が低下してしまうというようなデメリットもありますので、睡眠時間が明らかに短くなってしまっている場合は、一度睡眠時間を見直してみるのもいいかもしれません。「明日は7時に起きるから、9時になったら寝ようね」と親子で約束をしてみるのも手です。

ポイント2 朝日を浴びる

人間には体内時計があります。それは実は24時間より長く、25時間だともいわれています。そのため、徐々に体内時計が実際の時間からずれてしまいます。その体内時計のずれをリセットする方法が、朝日を浴びる事なのです。

そこで、朝起きたらカーテンを開けて子どもが朝日を浴びられるようにしましょう。また、余裕があるときには、皆で散歩に行くことや、ウォーキングを習慣にするのも良いですね。体内時計を整えるには規則正しく食事をとることも大切です。ですから、なるべく毎日同じ時間に食事をとれるよう心がけましょう。

ポイント3 寝る前の環境を整える

寝る前に蛍光灯の光やブルーライトを浴びすぎると、寝付けなくなってしまいます。就寝の1時間ほど前になったら部屋を暗くして寝る準備をしましょう。タブレットやスマホなど、大人も使用を控えて入眠環境を整えてあげることが大切です。

ポイント4 昼寝の時間を見直す

夕方ついつい寝てしまったりすると、当然夜は眠ることができません。昼寝をさせるなら1時間以内に。小学生は、疲れた時のみ昼寝をするようにしましょう。

また、昼寝をさせるときは、部屋を明るくしたままにしてください。「暗くないと眠れない!」というようであれば、その子に昼寝は必要ないのかもしれませんよ。昼寝が必要な時は、周りがどんなに明るくて騒がしくても寝てしまうものだ、と考えましょう。

子どもがスッキリ起きられるポイント7つ2

ポイント5 前日の夜に準備をする

気持ちのいい朝を迎えるためには準備が大切です。保育園や幼稚園、学校に行く前日にはカバンの中身を整えておきます。前日に準備をしておけば、当日は忘れ物がないか再度確認をするだけとなりますね

また、次の日着る服も一緒に準備して枕元においておけば、起きてすぐに着替えることができるので時間に余裕がうまれます。朝になってあれが無い、これが無いとならず、せかしたり怒ったりイライラすることなく、余裕を持って子どもに接することができますね。

ポイント6 正しい姿勢で寝る

正しい睡眠姿勢で寝ることも大切です。子どもの成長は早いですから、マットレスのサイズや硬さ、枕が合っているかなど定期的に見直しましょう。以下のポイントも参考にしてみてくださいね。

  • 立っている時の背骨のS字カーブが、横になった時も保てている
  • 体の特定の部分に余計な力がかかっていない
  • 適度な柔らかさで体圧分散に優れている
  • 適度な硬さで姿勢を支えることができ、寝返りをしやすいもの

ポイント7 家族みんなで寝る

家族みんなで寝れば、テレビの音も光も漏れていない、真っ暗で静かな環境となり、子どもは安心して眠りにつくことができます。親の生活時間にもよりますが、時間が合わせられるときには子どもと一緒に消灯してあげるといいでしょう。入眠しやすいように、子守唄を歌ったり、小さく優しい音楽をかけてあげるのもおすすめです。

(参考)
東洋経済ONLINE|「成績のよい子」は、だいたい何時に寝るのか
Study Hacker|「時間は、命と同じくらい大切なもの」 “朝活の第一人者” 池田千恵さん 特別インタビュー【第3回】
日経デュアル|1日を決めるのは朝!子どもの「起床時間」を整える
NHKらいふ|大人と違う!子どもの眠りのメカニズム
テルモ体温研究所|体温から健康に 体温と生活リズム
NIKKEI STYLE|添い寝の功罪 日本の子どもの睡眠は超短時間
NIKKEI STYLE|1日を決めるのは朝 子どもの「起床時間」を整える