自由研究でサイエンス系のテーマといえば、道具を買いそろえる実験や、屋外での自然観察などが思い浮かびますが、親の負担もそれなりにかかりますね。手間と時間をかけてじっくり付き合ってあげられるのがベストだと分かっているけれど、現実的には、なるべく近場でシンプルな条件で良いテーマを探したいものです。
そこで、3~4年前から注目されている「くず野菜」を育てる実験についてご紹介します。ベランダ菜園のブームや野菜の高騰などでトライしたことがある人も多いかもしれませんね。今回は、子どもの自由研究を前提に、事前準備や実験方法(育て方)、まとめ方のヒントなどをご紹介します。
「リボベジ」の実験から子どもが学べるコト
普段ならキッチンの生ごみになってしまう、くず野菜の切れ端を再生させて再び食べられるようにすることを「リボーン・ベジタブル」、略して「リボベジ」と呼びます。
普段捨てている野菜のヘタや根っこを、再生させたものが、「リボベジ」です。リボーン・ベジタブルの略で、日本語なら「再生野菜」という意味ですね。野菜の切れ端を水に挿しておくだけで、葉が生えて、食べられるようになります。普段は捨てているものなので、気軽に始められますね。
(引用元:qufour|野菜のヘタや根を育てる「リボベジ」挑戦!子どもも興味津々、食育にも!)
天候不順によって野菜が高騰している間の切り抜け方法として、テレビなどメディアで紹介されているのでご存知の方も多いことでしょう。
自由研究の課題としても、捨てられるはずだったクズ野菜を使うため新たに材料を買い求める必要がなく、家の中で観察できるので毎日のルーチンにしても苦になりにくいというメリットがあります。さらに、観察終了後はリボベジで再生した部分を食べることだってできますよ。
リボベジは実験の主体となる子どもに分かりやすく、それをサポートする親の負担も少ないテーマと言えるでしょう。
リボベジの実験で用意するもの
リボベジの実験で必要なものは「クズ野菜」「水を張ったトレイ」「光」のたった3つです。
クズ野菜
豆苗、ネギ、ミズナ、コマツナ、チンゲンサイ、ミツバ、かいわれ大根、ニンジン、ダイコン、レタス・キャベツ・ハクサイなど。キッチンで普段の食事に使う野菜のほとんどがリボベジの対象になります。用意するクズ野菜は、根やへたのあたりを中心に野菜自体の栄養となるよういつもより2~3cm少し大きめに切っておきましょう。
水を張ったトレイ
リボベジの基本は水栽培です。水を張るためのトレイは、野菜の切りクズのサイズに合わせて大きさや深さを決めます。深めのお皿やペットボトルを切って作った容器でも結構です。水の量は、根のあるものは根が浸る程度、ヘタは切り口が浸る程度を目安にします。
光
野菜が光合成性によって成長するためには光が必要ですね。窓際など明るい自然光が入る場所がベストですが、夏は暑くなりすぎるので注意が必要です。
リボベジ実験のやり方と注意点
リボベジ実験は材料の準備ができれば、あとはシンプル。水を張ったトレイに野菜の切りクズを入れるだけです。
毎日の観察記録はノートに絵を描いても良いですし、スマートフォンのカメラで撮影しても、また両方で記録しても良いでしょう。置き場所は、直射日光が当たらない明るいところがベストです。リボベジは室温が25度を超えると育ちにくいので、冬場の暖房にも注意しましょう。
そしていちばん大切なこと――水は清潔な状態を保つよう、特に夏場は管理に十分配慮を。毎日の観察時間に合わせて、1日に1~2回の水替えを行なうと良いでしょう。その際、ぬめりが出ないように、また、細菌が繁殖しないように、ヘタと容器を簡単に洗っておきます。とにかく水がきれいな状態でキープされていることが大切です。
実験結果をまとめるときのポイント5つ
自由研究でまとめるべきポイントは次の5つです。このとおりでなくても、お子さまが気になった点や工夫した点などがあれば、どんどん書いておきましょう。
きっかけ
なぜリボベジの実験をやってみようと思ったのか、きっかけをまとめる
実験方法
上記で説明した「準備で必要なもの」と「実験方法や注意点」を参考にしてまとめる
予想
リボベジの実験を行なう前に、どのように再生するかイメージ画を描く
結果
毎日の観察結果をイラストまたは写真で記録する
まとめ
予想と結果は一致していたのか、日々の観察で気づいた植物の成長スピード、リボベジをする前に食べた部分との味の比較などについて、それぞれのリボベジごとにまとめます。最後に全体を通して感想や反省点を記入して仕上げます。可能であれば、観察を家族で一緒に行なってそれぞれからコメントをもらい、自分の予想結果や感想と比べるのもおすすめです。
あくまでもサイエンス系の実験なので、予想と結果や、出てきた再生部分の数や形、サイズなど観察結果をしっかりと記録することが大切です。またその毎日の作業が観察という学びにもつながります。
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マルシェや道の駅、地方のアンテナショップなどでは新鮮野菜をお手頃プライスで販売しているところもたくさんあります。ぜひ、いろいろな野菜や果物でリボベジを体験してみてください。
(参考)
qufour|野菜のヘタや根を育てる「リボベジ」挑戦!子どもも興味津々、食育にも!
OBS大分放送|再生野菜(リボベジ)プロジェクト
tenki.jp|リボベジって何? 野菜のヘタを水につけておくだけで、もう一度食べられるなんて
ウチコト|「リボベジとは?」再生野菜で簡単に【食費を節約】できる!?