教育を考える/食育 2018.6.6

あなたの身体はあなたの食べたものでできている【食のまなび探検隊「味の素(株)」その4】

編集部
あなたの身体はあなたの食べたものでできている【食のまなび探検隊「味の素(株)」その4】

【食のまなび探検隊「味の素(株)」その3】のつづき

大人気! 充実の工場見学

ーーでは次に、工場見学についてお聞かせください。

岩水さん:
味の素(株)の工場は全国に三ヶ所(川崎・東海・九州)あります。これは冷凍食品などとは別の、味の素単体の工場ですね。

ここ川崎の工場は1914年に創立されました。最寄駅の名前「鈴木町」は、創業者の「鈴木三郎助」に由来していて、もう100年以上地域に根ざしています。

今回ご案内させていただくこの『味の素グループうま味体験館<味の素うま味サイエンススクエア(AUSS)>』は、3年前の2015年5月にオープンしました。ここは味の素(株)の歴史や、うま味・アミノ酸について楽しい体験を交えながら科学的な情報を学べる場所です。

ーー工場見学の際には、ここ『うま味体験館』の1F「アジパンダ®」ホールに集合するんですね。

岩水さん:
工場見学では、一番最初に「シアター見学」をしていただきます。原料のサトウキビからどのようにして「味の素®」が作られているか、また、うま味と共にあった日本人の食のあゆみを、大迫力の360°パノラマ映像で体感できる作りになっています。

その後はバスに乗って工場へと向かいます。工場はすぐ近くにあるのですが、工場施設内はとても広いのでバスでの移動となります。

食のまなび探検隊第4回2

見学は3つのコースに分かれています。

1.「ほんだし®」コース(年齢制限:なし、所要時間:約90分)

原材料の荒本節から製品としての「ほんだし®」が完成するまでを見学していただいた後、かつお節削り体験にチャレンジしてもらいます。そして最後にうま味体験と一口サイズの「ほんだし®」おにぎりを試食して終了です。

2.「味の素®」コース(年齢制限:小学生以上、所要時間:約90分)

2015年5月にスタートしたコースです。シアター見学の後、バスに乗る前に5分ほどジオラマ見学をしていただきます。さとうきびを原料とした「味の素®」がどうやって完成するか、リアルなジオラマでご紹介します。その後バスに乗り、工場へと向かいます。ここでは包装の工程を見学していただき、再びうま味体験館へと戻ります。

そこでこのコースのメインであるMy「アジパンダ®」瓶封入体験を行います。
工場と同じ環境の中、6gの「アジパンダ®」瓶に「味の素®」を詰めて記念にお持ち帰りいただきます。もちろん最後にはうま味体験が待っています。

3.「Cook Do®」コース(年齢制限:小学5年生以上、所要時間:約90分)

2016年5月にスタートしたコースです。家庭科の授業で火を使うようになる小学5年生以上を対象としています。バスに乗り「Cook Do®」ができる工程を見学し、うま味体験をしてからメインの「Cook Do®」調理・試食体験へと進みます。

食のまなび探検隊第4回3

食のまなび探検隊第4回4

充実した3つの見学コースを用意している川崎工場。大人も子ども楽しめそうですね! また、うま味体験館の中にあるショップでは、ここでしか手に入らない「アジパンダ®」グッズをたくさん取り揃えているので、工場見学の記念やお土産におすすめです。

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自然環境やエコを学ぶことも“食育”

ーーでは川崎以外の工場ではどのような見学内容になっているのでしょうか?

岩水さん:
三重県の四日市市にある東海工場では、同じように「ほんだし®」コースを用意しています。ここで特徴的なのは、何と言っても『バードサンクチュアリ』。工場敷地内に約5,700㎡の天然の池があって、「ほんだし®」コースとは別に見学するコースもあります。そこには多くの野鳥が飛来し、生物多様性保護区域として、環境系の学びに適している場所ですね。

佐賀県にある九州工場では、アミノ酸に特化した見学コースを用意しています。「バイオサイクルシステム」といって、アミノ酸を作る過程で発生する発酵副生物を再資源化して、有機質肥料にしていくことで無駄なく全部活かしきる、ということを学べます。

ーーそれぞれの工場で独自の取り組みをしているのですね。

岩水さん:
ただしどこの工場でも必ずうま味体験は実施しています。工場見学でも出前授業でも、自分の舌で感じてもらうことが、うま味を知ってもらううえで一番大切なことだからです。

さまざまな取り組みを通して、私たちが伝えたいことは「あなたの身体はあなたの食べたものでできている」というメッセージ。だから、しっかり食べよう、バランス良く食べよう、そしてみんなで楽しくおいしい食卓を囲もう、といったことが子どもだけではなく保護者にも伝わればいいな、と思います。

食のまなび探検隊第4回5

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取材を終えて、100年以上も前から受け継がれている創業者の「日本人の栄養を改善したい」という想いは、現代の子どもたちが抱える食の問題を解決することにもつながっていることを感じました。どんなに時代が変わっても、食事の大切さ、食事の楽しさは変わりません。今、私たち大人が子どもの食事・家族の食卓のためにできることを味の素(株)はともに考え、実践するための様々な商品を生み出してくれているのですね。