慶應義塾中等部の家庭学習としても活用されている、英検 Jr. オンライン版。自宅のパソコンで受験可能なので、「初めての会場で落ち着いていられるかな」「親と離れて、ひとりで受験できるだろうか」などの心配もなく、お子さんの初めてのテストとしてもぴったりです。
そんな英検 Jr. には、英検やほかの試験にはない特徴がたくさんあります。今回は、第二言語習得研究や言語教育の専門家の意見をもとに、英検 Jr. のメリットをご紹介します。
英検 Jr.の5つのメリット
1. 幼児期にぴったりの「リスニング特化型」
英語4技能試験が注目されるなか、「なぜリスニング1技能だけなの?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。ですが、英語のプロトレーナーである田畑翔子さんは、小学生までの子どもには、音声中心の学習がいいと語っています。
子どもの場合、まずは英語にふれる機会を多く持ち、英語を「聞く」という大量のインプットを確保することが必要になります。
(引用元:StudyHacker こどもまなび☆ラボ|「10歳」を境に最適な英語学習法が変わる?)
特に、幼児期の子どもの英語学習において一番重要なのは、他人との英語でのやりとり=「インタラクション」を通した自然なインプット。英検 Jr.のリスニング内容を軸に、親子で簡単な英語でのやり取りを楽しんでもいいですね。
慶應義塾大学名誉教授・ココネ言語教育研究所所長の田中茂範さんも、幼児は「音への感受性が高い」と述べています。音への感受性が高い時期に、英語をたくさん「聞く」こと。リスニングから始めるのは、理にかなっていることなのです。
2. テストを通して学習を促進できる
子どもの年齢が上がるとともに、どんどん重要性を増す「テスト」の存在。つい結果に目がいってしまいますが、学習の定着度を確認すること以上に重要な効果があるのだとか。ペンシルベニア大学准教授のバトラー後藤裕子さんは「テストを受けて学習を促進させる効果」が期待できると語ります。
テストには、そもそも2つの大きな役割があります。1つは、どれくらい学習が進んだかを把握すること、もう1つは、テストを受けること自体で学習を促進させること。私たちはテストというと、すぐに最初の役割ばかりに気を取られがちですが、実は2番目の役割が非常に大切なのです。
英検 Jr.オンライン版に付属した学習コンテンツでは、ゲーム感覚で、英語をたくさん聞いているうちに、生活に密着した単語や表現を身につけられるようになっています。前回はできなかったアイテムが、次に学習するときには優先的に出てくるなど、コンピューターの特長を十分に生かした学習コンテンツになっています。身についたことを実感するためにテストをやりたくなってしまう―英検 Jr.オンライン版はこんな魅力を備えているといえます。
(引用元:英検 Jr.「オンライン版」がスタート!|英検 Jr.|公益財団法人 日本英語検定協会)
「テストを受けること自体で学習を促進できるのなら、ほかのテストでもいいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。ですが、そもそも低年齢の子どもを対象にした英語テスト自体、数少ないのです。そんななか、英語学習を始めたばかりの子どもたちのために開発された英検 Jr.の存在は貴重だと言えます。
3. 小学校の外国語活動とリンク! 今後の英語学習に役立つ
2020年度から小学校中学年で「外国語活動」が導入され、小学校高学年からは「外国語科」として成績対象になります。新しい英語教育改革に向けて、2018年度から移行期間が始まっています。
新学習指導要領で定められている外国語活動の目標のための3つの柱のひとつ、「知識及び技能」面では、以下のように示されています。
外国語を通して、言語や文化について体験的に理解を深め、日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
(引用元:文部科学省|外国語教育|新学習指導要領(令和2年度以降順次実施~)|小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編)
つまり、高学年以降の外国語学習における聞く力や話す力につながるものとして、子どもの柔軟な適応力を生かし、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむことが求められているのです。
英検 Jr.のBRONZEのテスト内容は、小学校の外国語活動に対応しているので、学校での授業の成果検証としても使えます。テスト準備は学校での学習内容の予習にもなるでしょう。特に小学5・6年生の授業では成績がつくことを考えると、低学年のうちからしっかり準備しておきたいところです。
テスト終了後すぐに結果がわかるのも、英検 Jr. の大きな特徴。忘れないうちに間違えたところを確認できるので、自然な流れで復習できます。
さらに、カラフルで可愛らしいデザインの個人成績表には、成績だけでなく学習アドバイスも書かれています。お子さんの今のレベルに合わせた助言となっているので、今後の学習にも役立ちますね。
(画像出典:REPORT CARD(個人成績表)|英検 Jr.|公益財団法人 日本英語検定協会)
4. 「動機づけ」でやる気アップ!
立命館大学大学院教授の田浦秀幸さんは、小学生の英語学習を考えるうえで最も重要な点は「動機付け」だと語っています。
小学生に一番大事なのは動機付けです。(中略)小さいお子さんに対しては特に、周りがうまく動機づけをしてあげることが重要です。
(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|【田浦教授インタビュー 第5回】子ども向けオンライン英会話の学習効果――英語学習を成功に導くための活用術)
英検 Jr.には、子どもの動機付けを支えるさまざまな工夫が施されています。ゲームのように取り組めるテスト内容や教材そのもののおもしろさ、テスト直後の結果発表と、かわいらしいデザインのレポートカード、子どもが達成感を味わえる成績証明書……。
特に、テストの約3週間後に送付される成績証明書は賞状のようで、とってもかっこいいんです! お子さん自身がそれぞれのグレードのシールを貼ることができる仕様になっており、学習意欲向上につながります。
合否はなく、結果は「正答率」で表示されるので、全員がこちらの成績証明書を受け取ることができるのも嬉しいポイント。不合格となりお子さんが落ち込んだり、自信をなくしたり……という恐れがなく、子どもが喜ぶアイテムが必ず手に入るのはありがたいですね。
(画像出典:CERTIFICATE(成績証明書)|英検 Jr.|公益財団法人 日本英語検定協会)
ただ、周囲がいくらうまく動機付けをしてあげても、小さいお子さんのやる気を維持するのは難しいもの。特に、幼児はまだ時間や日にちの概念を大人のように正確に理解できていないので、「1ヶ月後にテストだよ!」「来週本番だから頑張ろうね」と言われてもピンとこないこともあります。
子どものやる気が出たとき、気分がのっているときに、ピンポイントでテストを受けることで、よりスムーズに進むはずです。英検 Jr.は申し込み直後から3ヶ月の間いつでもテストを受けることができるので、お子さんが「やりたい!」と思ったタイミングを見計らって挑戦できますよ。
5. 楽しい=タスクモチベーション↑
英語のプロトレーナー・田畑翔子さんは、「動機付け」の中でも、特に「タスクモチベーション」という概念に注目するといいと語っています。
特に子どもの場合、自分から「英語の成績を上げていい学校に行きたい」とか「英語ができれば将来の仕事に役立つ」といったモチベーションを持つことはあまりありませんから、「タスクモチベーション」という概念に注目するといいでしょう。
これは、面白いと思える学習法ならやる気が高まるということ。(中略)学習者が興味を持てる部分をうまく刺激して、学習方法自体を動機づけにするのです。子どもは、楽しめる活動でなければ続きません。特に英語を学び始めるときは、面白いと思える学習活動を用意する必要があります。
(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「10歳」を境に最適な英語学習法が変わる?)
英検 Jr.の問題はオールカラーでイラストが中心となっており、ゲーム感覚でチャレンジできます。白黒で文字が中心のほかの試験とは違い、子どもも楽しんで取り組める内容です。試験時間も短めなので、途中で飽きずに最後まで続けやすくなっています。
(画像出典:英検 Jr.オンライン版の紹介|英検 Jr.「オンライン版」がスタート!|英検 Jr.|公益財団法人 日本英語検定協会)
テストを受ける際の負担を最小限に抑えつつ、学校以外のテストを受ける経験を積むことができる英検 Jr.。お子さんのモチベーションを上手にあげながら、音声の学習を中心に、テストによる学習促進効果を狙ってみてはいかがでしょうか。
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(参考)
公益財団法人 日本英語検定協会|英検Jr.
公益財団法人 日本英語検定協会|英検 Jr.「オンライン版」がスタート!|
公益財団法人 日本英語検定協会|検定・テストの特徴と比較
公益財団法人 日本英語検定協会|英検 受験の状況
文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編
こどもまなび☆ラボ|「10歳」を境に最適な英語学習法が変わる?
こどもまなび☆ラボ|【田浦教授インタビュー 第5回】子ども向けオンライン英会話の学習効果――英語学習を成功に導くための活用術